彗星物語 (文春文庫 み 3-13)

著者 :
  • 文藝春秋 (1998年7月10日発売)
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本棚登録 : 1223
感想 : 135
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このような大家族ものはともするとキャラクター小説になりかねないが、この作品はそんなことなかった(強いて言えば飼い犬くらいか)。
文化の違う人が一人、この大家族に入り込むのであるから当然事件は起きる。ただ、昼ドラのような超絶ドロドロ事件でもなく、あっというどんでん返しも起こらない。さーっと読んでいるとそこまで気にしなくても・・・なんという瞬間もありそうなくらいである。しかしそこで生活する人にとってみれば大きなこと。この世の中の大ぜいにとっての事件なんてそんなものだろう。所詮他人にとっては自分の身に降りかからないことについては他人事なのだ。
大事件は無いにしろ、この留学生が結局この家族に大きな影響を及ぼすことにはなるし、読み応え、というよりは、起伏はそこまで欲しくないけど退屈しすぎないという点でするすると読める話を期待する人にはよいと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日常の中の出来事
感想投稿日 : 2017年9月18日
読了日 : 2017年9月11日
本棚登録日 : 2017年9月11日

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