地方選 無風王国の「変人」を追う

  • KADOKAWA (2020年9月25日発売)
3.92
  • (6)
  • (13)
  • (3)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 123
感想 : 12
1

かなり面白く読んだ。
あとがきまでは。

あとがきでは本書のもとになった連載の経緯が語られる。
挫折した幻の取材として、群馬県草津町長選挙が挙げられる。そう、今や世界にその名轟く「あの」草津町である。
さまざまな事情が重なり充分な取材ができず、原稿として日の目を見ることはなかったが、著者はその時点でかの名湯が満天に恥を晒した騒動の萌芽となる「歪み」を見て取っていたと言う。
だがその詳細は語られず、なのに書くのだ——「とんだ濡れ衣を着せられた町長」と。

本件はいまだ裁判で係争中である。白とも黒ともついていないものに、なぜ「濡れ衣」などと言い切れるのか。
もし充分な根拠を握っているというのなら、それを余さず書くべきだ。それこそが「正義」であり、「嘘つき女」に対する鉄槌となるだろうのに。
それをせず、なのに、性犯罪被害を訴え出た被害者を一方的に「嘘つき」と断ずる。この一件を見るだに、そんな嘘をついて得られるものなど、女性にありはしないことは明らかなのに。

しょせん男か。
娘がいるらしいが、お気の毒のひとことである。

2020/12/19読了

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会
感想投稿日 : 2020年12月19日
読了日 : 2020年12月19日
本棚登録日 : 2020年12月19日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする