かなり面白く読んだ。
あとがきまでは。
あとがきでは本書のもとになった連載の経緯が語られる。
挫折した幻の取材として、群馬県草津町長選挙が挙げられる。そう、今や世界にその名轟く「あの」草津町である。
さまざまな事情が重なり充分な取材ができず、原稿として日の目を見ることはなかったが、著者はその時点でかの名湯が満天に恥を晒した騒動の萌芽となる「歪み」を見て取っていたと言う。
だがその詳細は語られず、なのに書くのだ——「とんだ濡れ衣を着せられた町長」と。
本件はいまだ裁判で係争中である。白とも黒ともついていないものに、なぜ「濡れ衣」などと言い切れるのか。
もし充分な根拠を握っているというのなら、それを余さず書くべきだ。それこそが「正義」であり、「嘘つき女」に対する鉄槌となるだろうのに。
それをせず、なのに、性犯罪被害を訴え出た被害者を一方的に「嘘つき」と断ずる。この一件を見るだに、そんな嘘をついて得られるものなど、女性にありはしないことは明らかなのに。
しょせん男か。
娘がいるらしいが、お気の毒のひとことである。
2020/12/19読了
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
社会
- 感想投稿日 : 2020年12月19日
- 読了日 : 2020年12月19日
- 本棚登録日 : 2020年12月19日
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