マリー・ルイーゼ―ナポレオンの皇妃からパルマ公国女王へ

著者 :
  • 文藝春秋 (2006年4月1日発売)
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感想 : 2
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人非人のように言われることも多い人物だが、本書では大いなる共感をもって描かれている。
著者の専門のためかあらぬかハプスブルク寄りで、マリー・ルイーゼは時に「誰かにすがらなければいられない弱い女性」、時に「意外に政治的才能を持ち、パルマに善政を施した慈悲深き女王」と変遷しつつもほぼ全肯定、フランツ帝も「苦悩する優しい父親」という人物造型。ナポレオンとライヒシュタット公については、マリー・ルイーゼは紛れもなく彼らを愛し、また彼らからも愛されたとして、彼女が彼らに示した(ように見えた)「冷たい」対応は、風雲急を告げる乱世の中で心ならずも起こってしまったものとされる。メッテルニヒはもっぱら悪役である。
当事者たちの書簡からも多く引用されているので、まるっきりの牽強付会でもないのだろう。パルマの街にいまなおマリー・ルイーゼを顕彰する数々の事物が残るのは、紛れもない事実である。
本書読了直後、「名画で読み解くハプスブルク家12の物語」(中野京子)をぱらぱらと再読したところ、あまりの温度差にのけぞった。いろいろな視点から書かれたものを読んでおくのは、とにもかくにも有用だと思った。

2016/6/8~6/13読了

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 皇室・王家・貴族
感想投稿日 : 2016年6月14日
読了日 : 2016年6月13日
本棚登録日 : 2016年6月14日

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