越えていく人 南米、日系の若者たちをたずねて

  • 亜紀書房 (2021年3月10日発売)
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ペルーの日系移民をルーツに持つペルー生まれの著者(しかし生後間もなく日本に移り、本書冒頭時点での知識や語学力は一般日本人と大差ないレベル)が、ラテンアメリカ大陸の日系移民コミュニティをめぐる旅をまとめたエッセイ。
しかし、これがひどい。本人にも多少自覚はあるようだ(が、反省はしていない)が、無知で無思慮で、なのに図々しい上から目線の闖入者ぶり全開なのである。
「なんで初対面の人にタダで泊めてもらうこと前提なの?」と訊かれ、「今夜もまさにそのつもりだった…」とウッと詰まる。にもかかわらず「そのつもり」を改めようとは微塵もせず、結局初対面の人の家に転がり込むんである。
一事が万事この調子で、親ほどに年齢の離れた人に失礼な議論をふっかけたり、かと思えば若者にぶしつけな質問をしたり、大酒くらって絡んだり、とにかくろくなことをしない。ふたことめには「○○…だったと思うがあまり覚えていない」「写真がないのでわからない」(なら撮ってこいよ!)で、取材者としても最低である。
愛国心なんてものは涸れ果てた私でさえ、真面目に「国の恥だ」と思った。

2021/7/29~8/16読了

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会
感想投稿日 : 2021年8月16日
読了日 : 2021年8月16日
本棚登録日 : 2021年8月16日

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