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冬 歳時記 (日本の名随筆 20)
- 山本健吉
- 作品社 / 1984年1月1日発売
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本書は昭和期を中心に活躍した小説家、詩人、民俗学者など50余名による、「冬」をテーマとした随筆集である。冬の自然の情景、人々の営みの情景が鮮やかに描かれる。私は特に井伏鱒二氏の「炬燵(こたつ)の話」が印象に残った。炭や炭団(たどん)を用いた炬燵には、"しっとり"していて"甘み"のある温もりがあるとのことである。平成生まれの私は電熱線の炬燵しか経験したことがないため、いつか炭や炭団の炬燵に入ってみたいものである。
(土木工学コース M2)
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図書館の魔女 第一巻 (講談社文庫)
- 高田大介
- 講談社 / 2016年4月15日発売
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少年キリヒトは、図書館に暮らす「魔女」マツリカに仕えることになる。マツリカは、膨大な知識と優れた頭脳を持ち国の戦略をめぐらせる一方で、自分の声を持たない少女だった。そんな中、隣国ニザマの侵略の手が忍び寄ってくる…読み応えのあるファンタジーを探し求めて出会った本です。言語学の膨大な知識に基づいて語られる緻密な物語は、圧倒させられること間違いありません。
(材料コース M2)
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愛なき世界 (単行本)
- 三浦しをん
- 中央公論新社 / 2018年9月10日発売
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「愛なき世界」を生きる植物にすべてを捧げると決めた大学院生の本村、そしてその本村に恋する洋食屋見習の藤丸の2人を中心に物語は進んでいきます。シロイヌナズナの研究に情熱を捧げる本村の周りには、様々な植物を「愛」する人達が登場します。物語を楽しく読み進めているうちに、植物の世界への興味を育ててくれる本です。植物に全く詳しくない私でも、顕微鏡をのぞいた時のわくわくする気持ちにはとても共感しました!
(建築学コース M1)
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三日間の幸福 (メディアワークス文庫)
- 三秋縋
- KADOKAWA / 2013年12月25日発売
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もし寿命を買い取ってもらえるとしたら、あなたはどうしますか?もしその査定価格が自分が想像していたより遥かに安かったら......。人生に絶望して寿命の大半を1年につき1万円で買い取ってもらったクスノキは、残りの人生でやり残したことを実行しようとするも、どれも空回りして失敗してしまいます。それでも寿命が残り2か月を切った頃、自分にとって一番の幸せが何なのかに気づき奔走します。彼にとって本当の幸せとは何なのか。ぜひ自分にとっての幸せについても考えながら読んでみてください。
(システム制御コース M2)
高校生の時に国語の先生におすすめしてもらった、私のお気に入りの本です。この本では、伊勢物語がリズミカルに紹介されています。といっても、堅苦しさとは無縁の本です。伊勢物語の現代語訳を担当した俵万智さんによって、平安時代の恋愛が面白く描かれています。現代とは違いすぎる昔の文化に驚いたり、身分違いの切ない話に悲しくなったり…「学生時代、古典が苦手だった…」という人にこそ読んでほしいです。
(建築学コース M1)
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八木重吉のことば こころよ、では行っておいで
- 澤村修治
- 理論社 / 2013年8月20日発売
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八木重吉は大正末期の詩人のひとりである。英語教師をしながら詩を書き、生前に出した詩集はわずか1冊、29歳で生涯を終えたため広く世に知られることはなかったが、詩人高村光太郎は彼の詩を「不朽」で「いかなる世代の中にあっても死なない」と評価している。代表作である「素朴な琴」を「おそらく日本語で書かれた最も美しい四行詩である」とする詩人もいる。ぜひ読んでほしいのが詩集『秋の瞳』の序文だ。心に寂しさを抱えながらも身近な美しさを素朴な言葉で綴る彼の詩は、現代を生きる私たちの心にも寄り添ってくれる。
(土木工学コース M1)
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文章読本 新装版 (中公文庫 み9-15)
- 三島由紀夫
- 中央公論新社 / 2020年3月19日発売
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この本は、三島由紀夫が森鴎外、谷崎潤一郎、ゲーテなど、自身が高く評価している文豪達の文章を批評、分類したものです。様々な文豪が体系的に解説されており、さらには三島自身の文学論についても触れられています。これを読むうちに読者は「普通読者(レクトゥール)」から「精読者(リズール)=ほんとうに小説の世界を実在するものとして生きていくほど、小説を深く味わう読書」へと導かれていきます。学校では教えてくれない文学の魅力を学んでみましょう!
(電気電子系 B4)
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NHKクラシックミステリー 名曲探偵アマデウス CD付き
- NHKクラシックミステリー名曲探偵アマデウス
- ナツメ社 / 2010年10月22日発売
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(都内大学某所)学生A「クラシック音楽!?...いや名前は知っているけど、あんな古臭いもの聞いてもね…」学生B「古臭いなんて失礼な!!!クラシック音楽の中でも名曲といわれているのは時代を超えて私たちに感動を与え続けているんだよ!!...ねえ聞いてる!?」学生A「ああごめん...ところで、名曲はなんで名曲なの?何か秘密が隠されているのかな...?」 学生B「その秘密がこの本に書いてあるよ!!この本を読めばすぐにでも名曲を聴きたくなってしまうはず!!」
(生命理工学系 B3)
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ピーナッツと谷川俊太郎の世界 SNOOPY&FRIENDS
- チャールズ・M・シュルツ
- KADOKAWA / 2014年7月25日発売
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ピーナッツは、スヌーピー、チャーリーブラウン、ウッドストックなどのキャラクターが登場する漫画のタイトルです。ピーナッツの作者はシュルツさんで、谷川俊太郎さんが、日本で最初に翻訳を行いました。この一冊を読むと、登場するキャラクターの個性や関係性もだんだんわかってきます。1ページごとの谷川俊太郎さんの解釈も素敵です。そして、スヌーピーがなんといっても可愛い。ときどき深いことも言っていたり…
(生命理工学コース M2)
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ウイスキー博物館 (1979年)
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皆さんも大学進学後お酒を嗜んだことがあるかもしれない。本書はその中でも、「ウイスキー」について様々な側面から語ってくれる。その製法はもちろん、文化的な側面、特に日本にどのようにして受け入れられてきたかを当時を知る人たちの対話を通じて語ってくれるのは、一読の価値があることだと考える。ウイスキーが好きな人は酒の肴として、そうでない人もこれから一緒に歩んでいくこととなるお酒についての教養として、一度読んでみてはどうだろうか。
(応用化学系 B3)
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有機化学美術館へようこそ ‾分子の世界の造形とドラマ (知りたい!サイエンス)
- 佐藤健太郎
- 技術評論社 / 2007年5月19日発売
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有機化学はさながら美術館のよう。個性的で面白い分子たち、化学者たちのドラマ、分子の力が切り開く未来、そこには人々の想像とは異なる美しい世界が広がっています。「化学というと、小さな原子や分子が延々とくっついたりはなれたりしているだけの地味な学問を想像するだろうか?」そう想像する人にこそ、手に取っていただきたい一冊です。ひとたび今までのイメージを忘れ、この世界を覗いてみてはいかがでしょうか。
(応用化学系 B3)
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羊と樅の木の人々 マラムレシュ写真集 TRANSYLVANIA抒情
- みやこうせい
- 未知谷 / 2007年6月15日発売
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私が1年間ヨーロッパ中を旅して最も印象に残った国の一つがルーマニアだ。ルーマニア北部マラムレシュ地方はルーマニアの中でも特に伝統的な生活が残っており、ルーマニア人の心のふるさととも呼ばれている。今なお伝統衣装を着た住民が木を組み合わせてできた教会に通い、自然と共生する生活を送っている。しかし著者は、マラムレシュは今急速に近代化が進んできていて伝統が失われつつあるという。この本はマラムレシュに魅せられルーマニア史の大きな転換点を含んだ40年間にわたりこの地域の生活を取材してきた著者によるヨーロッパ最後の原風景の記録である。自然とともに素朴な生活を送る住民たちの姿がこの本には残されている。
(土木工学コース M1)
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史記1 覇者の条件 新版
- 市川宏
- 徳間書店 / 1987年1月1日発売
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「日本の歴史もわからないのに、中国の歴史書?」という声が聞こえてきそうだが、この本を単なる歴史書として読むだけではつまらない。時には、紀元前遥か昔から変わらぬ人間の心情に感慨をおぼえ、時には、身分関係なく、彼ら自身の命と矜持をかけた策略や覚悟に思わず迫力を感じてしまうだろう。筆者の司馬遷は、史記を完成させるために生き恥を晒す羽目になった不遇の人である。そんな彼の文章そのものにも強い意志と覚悟を感じずにはいられない。この作品をはじめとして、ぜひ全7巻を読破していただきたい。
(生命理工学系 B3)
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Sapiens. A brief history of humankind
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著者ユヴァル・ノア・ハラリによって書かれた本書は人類の歴史と、人類がどのように進化して現在のような支配的な種になったのかについて語る。著者は人間の認知の進化というテーマに光を当て、私たちの社会がなぜ現在の形をとったのかを考えさせる。示唆に富む言葉に満ちた本書は、私たち人類がこの地球上でいかに短い時間を過ごしてきたかを感じさせ、謙虚な気持ちにさせてくれる。
In this immersive and engrossing book, Yuval Noah Harari talks about human history and how humans have evolved to become the dominant species we are now. The author sheds light on the subject of the evolution of human cognition and makes us think about how our society has taken on its current form. Filled with thought provoking words, this book provides us with a sense of how briefly we, as a species, have been on this earth, and provides a humbling experience.
(工学院 B1)
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社史の図書館と司書の物語 神奈川県立川崎図書館社史室の5年史
- 高田高史
- 柏書房 / 2017年1月26日発売
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古くは窓際社員のたまり場などと描写されることの多かった「社史編纂室」に、せっかく刊行されても図書館の端でひっそり眠りがちな「社史」。そんなイメージの社史にスポットライトを当てた図書室が川崎にあります。この本はその県立川崎図書館の司書による、社史の楽しみ方を伝える一冊。社史を通じて各社の特色のみならず業界や日本社会全体を読み解けるなんて知っていましたか?この本を読み終わるころには図書館の社史コーナー (大岡山図書館地下1階にもあります) に足を運びたくなっているかも…?
(生命理工学コース D2)
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学芸員のための展示照明ハンドブック (KS理工学専門書)
- 藤原工
- 講談社 / 2014年6月26日発売
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作品をじっくりと鑑賞する場であるミュージアム。その際に大きな役割を果たす「照明」に注目したことはありますか?作品は変えられないからこそ、「光」は人が手を加えることができる重要な要素です。日本美術、西洋美術や現代美術、その中にも油彩画、彫刻や工芸など様々な種類の作品があるなかで、それぞれの魅力を引き出しながらも損傷を最小限にする照明とは。この本を読めば美術鑑賞がより楽しくなること間違いなしです。
(生命理工学院 B1)