あらくれ (岩波文庫)

  • 岩波書店 (1972年9月16日発売)
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本棚登録 : 75
感想 : 8

徳田秋声初読。

大正時代の小説にしてはなかなか読みやすい文章だと思った。

気性の激しい女性、お島を主人公に、彼女の人生を描いた作品なのだが、この時代の女性にしては革新的な(何かを自分の力で為そうとする)人物として描かれているので、そこも読みやすい要因の一つであろうかと思う。

ただ、この本が面白いかと問われたら「これは面白いのか…?」と言いたくなる。
物語として面白い面白くないの話をするべき本ではないのかもしれない。

生母に虐待され、養家で望まない結婚をさせられ、そこから逃れるも、その後もあまり男運がよくないような人生を歩んでいくお島を
、自然主義文学らしく、本当にありのままにただ描いているのである。
「こういう人、いるよねー」と言いたくなる本であった。

そのリアルさがなかなか良かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年6月5日
読了日 : 2017年6月5日
本棚登録日 : 2017年6月5日

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