「さみしさ」の研究 (小学館新書 ひ 1-5)

  • 小学館 (2018年11月30日発売)
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本棚登録 : 339
感想 : 39

ビートたけしのエッセイ。
「さみしさ」をテーマにするなんて、意外で驚きます。
年齢を気にしない、いつまでも子供のような破天荒さで活躍する人だというイメージでしたが、きちんと自分の「老い」も意識し、そのうえでの立ち位置を考えていることがわかります。

地位に驕らず、名声に溺れず、きちんとその時々の自分を冷静に把握できているからこそ、長い年月、人に愛され支持され続けているのでしょう。

周りへの毒舌ぶりがすごいと思っていましたが、自分への厳しいつっこみもしており、甘さはありません。

TVでの発言は、荒唐無稽なものが多いですが、書かれていることは至極もっともで、納得できることばかり。
ムチャクチャな発想の人ではなく、とてもまっとうな感性の持ち主なんですね。
当たり前のことを、世間から飛びぬけたこの人がこの人らしさの論理を持って語ると、ぐんとすごみが増してくるものです。

年を取って高齢者になったら、自分を客観視するべきだということ。
それをわきまえて、ブラウン管の前で突飛な発言をしてみせる本人。

また、樹木希林さんや大杉連さんなど、芸能界での知り合いの訃報について、思い出と一緒に語られているのも、貴重な話です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ・対談
感想投稿日 : 2019年11月27日
読了日 : 2019年11月27日
本棚登録日 : 2019年11月27日

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