この漫画の原作である小説は、御冷ミャハというカリスマに魅了された二人の信奉者が、その亡霊に振り回され続ける運命を描いた作品で、その運命が世界危機に直結している点が酷くセカイ系的で、これはゼロ年代に流行った言葉なんだけど、それを彷彿とさせて、ああ、00年代の息吹を感じるね、という塩梅である。脇道に逸れてしまった。
御冷ミャハと霧彗トァンの関係はひどくメランコリックかつ甘美で、映画版ハーモニーではこれを恋愛感情と解釈してチープな演出に勤しんでいたが、そんな単純な代物ではないと僕は思うし、だからこそ、この小説は美しいのだと思う。
で、漫画版はこの感じが巧く再現できているように思う。ハーモニーを初めて読んだ時の気持ちがじんわりと蘇ってきて、とてもよかった。
この調子で2巻も描き切ってほしい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2016年4月17日
- 読了日 : 2016年4月9日
- 本棚登録日 : 2016年3月27日
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