ハックルベリィ・フィンの冒険 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1959年3月10日発売)
3.52
  • (39)
  • (34)
  • (87)
  • (14)
  • (3)
本棚登録 : 795
感想 : 57

だいぶ昔読んだものを再読。大人になって読むとかなり皮肉なユーモアが効いた話であることが分かる。たびたび窮地に陥ったハックが、その都度口から出まかせで乗り切る場面は最高。
一方この本に出てくるトム・ソーヤーは、理屈や物語ばかりに夢中で使えないヤツという印象。ハックの実務的なサバイバル譚の後に登場すると、ユーモアを通り越してイライラさせられる。
また大人になって分かる点として、奴隷制度に対する意識の複雑さがある。この話の時代にあっては奴隷制度は正しいもので、黒人を自由の身にすることは罪。ハックはジムへの友情ゆえに最終的に「それじゃあ僕は地獄へ行こう(p331)」と決意するが、一方で二人の言葉遣いには上下関係があり、ハックの意識の中でも黒人は決して対等ではない。
村岡花子の訳では黒人の台詞を東北弁?的に表現しているが、「風と共に去りぬ」でも同様だった。「黒ん坊」という訳語がおそらくは意識的に使われている点等、むしろ大人でなく子どもに読ませるなら何らかサポートが必要な本だろう。本で覚えた言葉、普通に使うからね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年5月13日
読了日 : 2018年5月12日
本棚登録日 : 2018年5月13日

みんなの感想をみる

ツイートする