龍樹 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社 (2002年6月10日発売)
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本棚登録 : 621
感想 : 30
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龍樹(ナーガールジュナ)が唱えたいわゆる「空論」についての解説書。
龍樹以降の註解書を参照しながら、「空」とは何か、また、何でないかを、ていねいに説明している。龍樹が著した「中論」や、その他の著作も収める。

とりわけ、あらゆるものごとが実在すると説く「説一切有部(せついっさいうぶ)」への批判は見物。

一切は「相互依存の関係」(縁起)にあり、「有」でも「無」でもなく、「中道」であり、しかもそう説きながら、そういった定義に執着してはならず、本来は言語化できない「空」の考え方を、否定辞を重ねながら示していく。

スリリングで、興味深い一書。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学
感想投稿日 : 2012年6月5日
読了日 : 2012年6月4日
本棚登録日 : 2012年3月28日

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