哺乳類の興隆史――恐竜の陰を出て、新たな覇者になるまで

  • みすず書房 (2024年7月18日発売)
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哺乳類の祖先、ディメトロドンの姿は、背びれを立てたトカゲのようで意外だった。単弓類は穴を頭蓋にひとつ作り、以前より強力になったアゴを閉じる筋肉を納めた。哺乳類の祖先は犬歯や切歯という複雑な役割の歯をつくるようになった。単弓類の一部の獣弓類は代謝を上げて体温を上昇させ、体毛を発達させ、広範囲を探索する捕食者となった。ペルム紀の大量絶滅で多くの種を失ったが、体を小さくして生き延びた連中がいた。左右に腰を振る歩き方から、上下に背骨を振って活発に呼吸をしながら移動できるようになった。ジュラ紀、白亜紀、大型に発達する恐竜の陰に隠れて小さいままニッチを埋めた。隕石が墜ちて白亜紀が終わり、また大量絶滅を生き延びたわずかな哺乳類は、恐竜不在の環境下で大型化した。氷河期も生き延びた大型哺乳類たちは、しかしやがて二本足で立つ奇妙な猿に、大量絶滅されることになる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 科学
感想投稿日 : 2024年10月20日
読了日 : 2024年10月20日
本棚登録日 : 2024年10月20日

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