鬼神の檻 (ハヤカワ文庫JA)

  • 早川書房 (2024年8月21日発売)
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感想 : 18
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50年に一度行われる貴人様の嫁取りという儀式の謎に、大正・昭和・令和の三世代をかけて迫っていくジャンル横断小説。
伝記ホラーからはじまりいくつかジャンルを変えていくが、軸としてあるのはフェミニズムだと思った。優生思想・性差別・家父長制に命がけで立ち向かう女たち。
大昔から続き、ようやくこの数年で問題視されるようになってきた、"立場が上の男に媚びたい男たちがおこなう女の献上"、それを容認しているとどうなるか……を闘い続ける数多の女たちと共に描く。
テストステロン値が高い白人男性だけで社会を運営するべき、とのたまったイーロン・マスクみたいな男が出てくるしそういう連中と闘争する話ですよね。ほかにも権力に忖度するマスコミや現政権への怒りも伺えて、小説に現実の怒りと「しかし弱きとされる者が勝って欲しい」という願いを込め伝記ホラー・ミステリ・SFとして描いた(ジャンル横断させるのがネタっぽさもありエンタメとしてもおもしろい笑)作品かな、と。
こういう小説だと思ってなかったから色んな意味でいいもの読んだなと思いました✊✨

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2025年1月13日
読了日 : 2025年1月13日
本棚登録日 : 2024年11月21日

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