九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26)

  • 国書刊行会 (1999年12月1日発売)
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本棚登録 : 47
感想 : 10
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H・M卿のファルス色は、舞台が戦時下ということもあるのか抑え気味だったが相変わらずの筆力と事件の不思議さで一気に読み進められた。
トリックに関して言えば、初期のすさまじいトリックメーカー振りというよりは、解説にもあったけどいくつかのトリックを組み合わせ、またそれを上手く見せることによりかなり見事な仕掛けになっていると思った。まあそのいくつかは現代の、特に日本人には9割がた分からない(説明聞いてもピンと来ない)ものではあったけど、別にそれは瑕疵にはならないでしょう。発表当時はリアルだったんだろうし。
解決の場面でのH・M卿の話はいちいち感嘆させられた。もやもやが次々に解決され、盲点を突かれ、膝を打って、の連続だった。ラストもカーおなじみのハッピーエンドで「めでたしめでたし」と思いつつ読み終わることができて一安心。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2005年2月6日
本棚登録日 : 2005年2月6日

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