ぼくの嘘 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年1月24日発売)
3.89
  • (27)
  • (49)
  • (29)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 485
感想 : 49
4

本作品は、先に文庫化されている『わたしの恋人』(角川書店,2014年)の続編である。
今回の主役は、前作の主人公・古賀龍樹と森せつなの名アシスト役だった、オタク少年・笹川勇太くん。
親友として二人の恋を静かに見守ってきた笹川くんだが、実は人知れず切ない片想いをしていたわけで…。
そしてそのことが、同じクラスの美少女・結城あおいに知られてしまったことから、笹川くんの受難の日々(?)が幕を開ける――というのが、本書のあらすじ。
前作に引き続き今作も、勇太:ぼく/あおい:あたし~という風に、語りの視点(一人称)が交互に入れ替わるシンプルな構成で話が展開していく。(ちなみに前作は、龍樹:おれ/せつな:わたし~だった。)

なんといっても、あおいちゃんのキャラが良かったな。
自分が美人だって自覚してて、自信に溢れてて…ともすれば、一見ワガママな女王様みたいに見えるけれど、本当は周りとの調和を考えて気を配れる子だし、クラスで目立たない人のこと(せつなとか笹川くんとか)もちゃんと見てるし。
なにより、フェアなところがいい。笹川くんの弱味を一方的に握るだけ~じゃなくて、自分も弱点を晒す潔さがね、いいよねw
最初は渋りながらも、結局は素直にあおいちゃんの命令に従ってしまう、笹川くんの振り回されっぷりも楽しかった♪

そんなわけで私は終始あおいちゃんびいきだったもんだから、終盤はもう本当にハラハラさせられたー!
それでもラストは笹川くんが頑張ってくれたお陰で、感動の結末が……!?

なるほど。『ぼくの嘘』って、そっちだったか!~ということも含めて、意外性(?)もあり、とても納得のいく終幕だった。
やっぱ恋愛はタイミング勝負、タイミングを逃さない人だけが掴めるものなのねん☆
このタイミングで合ってることを祈る~って、お伺いを立てちゃうところが、なんとも笹川くんらしいけど。でもそこがまた良いんだよねw

個人的には、前作よりこちらの方が面白かった!!
龍樹とせつなのその後には触れられてなかったけど、二人も幸せだといいな♡

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説 / 青春・恋愛
感想投稿日 : 2017年7月29日
読了日 : 2017年7月28日
本棚登録日 : 2017年7月29日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする