こゝろ (角川文庫)

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本棚登録 : 4701
レビュー : 517
著者 :
夜さん 小説   読み終わった 

有名すぎて今更レビュー書くまでもないけど。笑

これは多分昔一度読んでるなと思いながら読んだけど記憶が曖昧で、大方学生時代に感想文を書くために読んだというところだろうと推測。
でもこの物語の深み、中高生の時に理解出来てたかな?と思った。

「先生と私」「両親と私」「先生と遺書」からなる長編。
奇妙な友情で結ばれている先生と私。ある日先生から私に遺書が届き、初めて先生の過去が明かされる。そこには、エゴイズムと罪の意識の狭間で苦しむ先生の姿が在った。

「こうなってしまったのは自分のせいだ」と思う出来事は生きていればけっこうな確率で起こる。些細なことから、人の命が関わることまで。
その罪の意識を抱え続けるのはあまりにも苦しいから、大抵の人はそれを薄れさせる図太さと時間に身を任せる。そして実際だんだんと忘れていく。
だけどそれが出来ない人間もいて、先生はそういう人間だったのだと思う。
それは物凄い自己陶酔でもあると思うけれど、本人にしてみたら逃れられない思いなのだろう。
もしかしたら頭では色んなことを理解していたかもしれなくて、起きてしまった出来事も様々な要素から成っていて自分一人の責任ではないことも先生は分かっていたのかもしれない。でも頭では理解出来ても“こころ”が許さない。人の心は、思うようには操れないから。

先生の奥さんは本当に何も気づいてなかったのか?とひとつの疑問。ある程度勘の鋭い女なら気づきそうな気がする。
でもそれは男性作家の作品だから、善良すぎて鈍感な女性として描かれているのかも。

そしてこの装丁が素敵。昔の純文学の小説がちょくちょくこういう装丁で売られてるから、ついつい買ってしまうという罠が。笑

レビュー投稿日
2015年11月1日
読了日
2015年11月1日
本棚登録日
2015年11月1日
7
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