とるにたらないものもの (集英社文庫)

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本棚登録 : 2638
レビュー : 229
著者 :
夜さん エッセイ   読み終わった 

タイトル通り、日常に溶け込んで普段はわざわざ取り上げない“とるにたらないもの”60個について書かれたエッセイ。

普段それとなく使っている物や見ている物について、考えようと思えば考えられるけれど、意識しない限りは何とも思わないことの方が多い。
例えば今これを書いている私の目の前には白いテーブルがあって、その上にリモコンとグラスがあり、読み終えた本が何冊か積まれているけれど、それらについて深く考えることはない。
そういう日常にある“とるにたらないもの”が、江國さんの紡ぐ言葉を通すととてもいとおしいもののように思えてくる。

輪ゴム、塩、化粧おとし、など、何気なく使うものについて。そして、書斎の匂い、日がながくなること、など、暮らしていて感じることについて。いろいろ。
江國さんの小説を読んでいて感じる郷愁のようなものとか瑞々しさは、きっとこういう風に日常に感受性を向けるところから来ているのだな、と思った。

私ならば今思いつくのは、栞、キャンドルホルダー、牛乳石鹸、リネンウォーター、真夜中、夏の夕方、水色、紺色のペン、あたりかな。そう考えはじめると楽しい。

あまり意識しすぎたら生活に支障を来すけれど(笑)目に映るものについて考えてみるのもたまには良い。
日常を支えているもののほとんどが、“とるにたらないものもの”なのだから。そんなことを思わされた一冊。

レビュー投稿日
2015年7月30日
読了日
2015年7月30日
本棚登録日
2015年7月30日
5
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