天国旅行 (新潮文庫)

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本棚登録 : 3274
レビュー : 303
著者 :
夜さん 短編集   読み終わった 

心中(自死)をテーマにした短編集。
だからけして軽くはないし楽しくもないけれど、単純にこの作者さんはおもしろい物語を紡ぐ人だな、と思った。
先が予想しにくいし、気になるからどんどん読み進められる。
角田光代さんによる解説にもあったけれど、不思議な関係性の物語が多かった。家族でもない、友だちでもない、でも実は自分を助けてくれているのは、親しくはない誰かなのかもしれない。

自殺しようとした人が救われて生きることに決めたり、本当は生きたかった人が報復のために死を選んだり、一家心中の生き残りが少しずつ希望のあるほうへ進んで行ったり…様々な“生と死”が描かれている。
綺麗事ではないし、泣かせるための死を描いているわけでもない。
ただ生物として産まれれば避けては通れない死というものを、壮絶に、厳しく、そして温かく描いている。

これもあとがきにあったのだけど、最近の物語は、読者を泣かせるために必然性のない死を扱っているものが多いように感じるとあって、確かにそうなのかもしれないなと思った。
それでも結局読んでて泣いてしまったりはするんだけど、そういう意味でこの小説は、それらの物語とは一線を画しているってことなんだと思う。

三浦しをんさんの小説を読むのは初めてでした。映像化されてるのはけっこう観てるんだけど(まほろ駅前シリーズとか、舟を編むとか)売れてる理由がわかった。
変わった設定が好きだからツボにはまった物語が多く、「初盆の客」「炎」がとくに心に残りました。

レビュー投稿日
2014年12月14日
読了日
2014年12月14日
本棚登録日
2014年12月14日
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