さよなら渓谷

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本棚登録 : 1327
レビュー : 291
著者 :
夜さん ミステリ   読み終わった 

自分の人生を誰かの手によってめちゃくちゃにされて、どこへ行っても誰といてもその呪縛から解放されることはなくて、辛くて、死にたくて…苦しみばかりの道から解放される方法が、人生をめちゃくちゃにしたその相手と一緒にいることだけだとしたら?
物語を読むと、自分だったらどうだろう?っていう想像をしてみるけれど、さすがにこのお話は想像が追い付かなかった。
でも人間の心理がどんな風に動くかって、周りからすると理解できない方向に向かうこともあるとは思う。

終始薄曇のはっきりしない空、みたいな雰囲気が漂っていて、主要な登場人物がみんな鬱屈したものを抱えていて、重苦しい。
どこへ向かっても、どこにも逃げられない。
罪を犯した側でも、善良な部分がわずかでも残っていれば、自分が犯した罪にいつまでも追いかけられながら生きなければならないということ。

系統としてはミステリだけど、すっきりと事件が解決して終わるような物語ではない。
吉田修一さんのミステリって謎解きとは違う部分が主体になってておもしろい。パレード然り。

レビュー投稿日
2014年9月4日
読了日
2014年9月4日
本棚登録日
2014年9月4日
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