月のしずく (文春文庫)

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本棚登録 : 1500
レビュー : 191
著者 :
夜さん 短編集   読み終わった 

浅田次郎さんの小説を読むのは三冊目くらいだけど、女の人より男の人の支持者が多いような気がしている。少なくとも私の周りで浅田次郎さんが好きだと言っているのは全員男の人。
というのも、この短編集を読んで少し解った気がする。
あらゆる意味での“男のロマン”が詰まっているように思えたから。

表題作はまさに“男のロマン”。
コンビナートの荷役を30年近くしている冴えない40代の独身男の元に、ある十五夜の晩、ひょんなことから美しい20代の女が転がり込んでくる。
というプロローグからロマンが溢れているように思えるし、主人公の男はこれでもかというほど純朴で、美しい女は気が強い、というところもまさに。

その他も、不倫の関係を精算したあと相手の女に少しの執着心を見せる中年男が主人公の「琉璃想」は、切なくて物語自体は好きなのだけど、主人公の行動は女としては理解しきれない部分もあったりする。
任侠の世界やバイオレンス的な世界に対する憧れが見え隠れする物語もある。
女性が主人公の物語であっても、どこか思考が男性的であるような気がした。言ってしまえば「女はたぶん、もっとずる賢く立ち振る舞うよ」と思ってしまう感じ。笑
それだけ美しい結末のお話が多かった。

映画化に向きそうな物語ばかり、と思っていたら、実際の「銀色の雨」は映画化されているみたい。
ヤクザに匿われている殺し屋と情婦とその情婦を愛する少年のお話。

女よりもきっと男のほうが理解して感動もするだろう。と感じた作品群でした。

レビュー投稿日
2015年9月27日
読了日
2015年9月27日
本棚登録日
2015年9月27日
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