伊藤くん A to E

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本棚登録 : 1682
レビュー : 284
著者 :
lynxtipさん 小説   読み終わった 

伊藤くんは、鏡だ。
彼と関わる女性たちの、理想、嫉妬、嫌悪、優越感、そういった内側の、ネガティブな磁場を映し出してしまう。他者からどう見られているか、見えているかを、伊藤くんを通して自分の姿を、自分を見る他人の姿を否が応でも見てしまう。伊藤くんは、ブラックホールのような、皇居前広場のような空虚な存在でありながらも生々しい感情を湧き上がらせる存在として立ち上がる。
あるいは、伊藤くんは人間関係のほころびであり、裂け目のような存在。「東京」という都市空間で生きることの息苦しさと相まって、関係性の網の中でもがいている登場人物たちの姿には、身につまされる人もいるかもしれない。それでも、p。230の伊藤くんの独白の破壊力といったら。ぜひ最終章までじっくり読んでほしい。

レビュー投稿日
2014年3月11日
読了日
2014年3月11日
本棚登録日
2014年3月11日
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