戦後60年に届ける、貴重な証言。元総理が、自らの人生と戦後史を存分に語る。(2005年刊)
・はしがき
・第一話 生いたち
・第二話 戦前・戦中の体験
・第三話 敗戦直後の大蔵省
・第四話 GHQとの交渉
・第五話 講和会議に随行する
・第六話 宏池会の誕生と安保騒動
・第七話 池田内閣時代
・第八話 日米繊維交渉
・第九話 プラザ合意、そしてバブル崩壊へ
・第十話 総理大臣時代
・第十一話 二一世紀の日本を考えるために
・インタヴューを終えて
・宮澤喜一関係年譜
これだけのキャリアを持ちながら、350ページとは足りない。後半は、駆け足であり、その分、無理が出てしまう。池田内閣以後については、政策マターに限った内容となっており、編者によると、これは宮澤氏の主体的選択によるものだと言う。総理時代の出来事などは、まだ語れる状態では無かったのかも知れないが残念なところである。
それにしても、氏には、先を見通す力があるのに、実現出来ないとは皮肉なものである。日米繊維交渉や、バブル崩壊の後の公的資金導入問題など、氏によると、機が熟していなかったためだというが、能力があっても生かせないのは、悲劇的である。本書は、戦後史を知る上で、不完全ながら、読みどころが多くおすすめである。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
政治
- 感想投稿日 : 2016年4月8日
- 読了日 : 2016年4月8日
- 本棚登録日 : 2016年4月8日
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