関ヶ原島津退き口 敵中突破三〇〇里 (学研新書)

  • 学研パブリッシング (2010年5月18日発売)
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感想 : 12
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島津家文書等の一級史料に基づく「退き口」の決定版。
戦場を離脱した島津軍のその後の運命は。生き残った
兵士の手記で綴る迫真の戦国ドキュメント。

本書を読むと、関ヶ原前夜から戦後の撤退行までの流れ
が良くわかる。家康と懇意にしていた島津義弘がなぜ西
軍についたのか、島津家家中の事情により、説明されて
いるが、理由が面白く納得いく。

島津傍観説というものがある。西軍についたものの、石
田三成と不仲になった義弘は、関ヶ原の戦い当日、戦に
加わることなく、傍観していたというものである。
著書は、史料の記述から島津勢は後陣であったという。
(つまり予備兵力として待機していた。)
また、三成自身の参陣要請を断ったのは、小早川の裏切
りにより、勝敗が決した後のことと推定している。
なかなか、面白い見方である。

土地勘も無い中部地方から、本領である鹿児島を目指した撤退行。本書を読むと、その労苦がしのばれる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史(戦国)
感想投稿日 : 2011年10月8日
読了日 : 2011年10月8日
本棚登録日 : 2011年10月8日

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