有法子: 十河信二自伝 (ウェッジ文庫 そ 26-1)

著者 :
  • ウェッジ (2010年2月19日発売)
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感想 : 1
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「新幹線の父」の激動の半生。
成せば成る、決してあきらめるな。有法子=不屈の精神で激動の生涯を生き抜いた十河信二が波乱万丈の半生を綴った昭和秘史。

十河信二は、東京帝国大学を卒業後、鉄道院に入る。帝都復興院で関東大震災の復興事業に関わるが、贈収賄事件に巻き込まれて逮捕される。裁判で無罪となるものの退官を余儀なくされる。満鉄理事、愛媛県西条市長、鉄道弘済会会長を経て、国鉄総裁に就任した。

本書の底本は、昭和34年の刊行のため、残念ながら東海道新幹線には触れられていない。政友会の森格との親交や林銑十郎内閣で、組閣参謀を勤めた事など、軍部よりのイメージがあったが、自伝からは別の一面が見えてくる。(自伝のみを鵜呑みには出来ないとは思うが、自分で判断出来るほどの知見に達していないことから、評価は保留とする。)

それほど、面白い本ではないが、大正から昭和にかけての時代の雰囲気がわかり、後藤新平、仙石貢など親交のあった政治家たちの、(十河の眼から見た)横顔を知る事は貴重である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 人物
感想投稿日 : 2012年6月9日
読了日 : 2012年6月9日
本棚登録日 : 2012年1月18日

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