ライフワークの思想 (ちくま文庫)

3.27
  • (10)
  • (32)
  • (69)
  • (12)
  • (3)
本棚登録 : 495
レビュー : 38
著者 :
ピッピさん 外山滋比古   読み終わった 

外山滋比古のエッセィ集。外山先生の著書は「思考の整理学」など日常生活の出来事を鮮やかに切って見せる独創的な中味で随分多くの人に読まれてきました。この文庫本も最近出版されたばかりですが、書き下ろしではなく、元は30年余りも前に書かれた内容に削除や加筆して出版したというからその色褪せない新鮮さに驚くばかり。
30年も前に出された本(特にエッセィ集など)は大抵の場合絶版となっているのが常です。
本のテーマとなっているライフワークの花という章はところどころにポストイットを張り付けていくほど、重要な語句がちりばめられています。
曰くライフワークは文字通り生涯の仕事であって晩年になって初めて結実する。切り花ではいけない根のついた花である。自由時間とは週休2日の時間のことよりも定年後のいつまでも暮れない薄暮のような時間のこと。・・・いままでは、充電したバッテリーを使い切るまで突っ走るという形で仕事をしてきた。しかし、これからの社会では、絶えずバッテリーに充電するか、他日に備えてスペアを持っていないと危険である。・・・それは単に保険の意味ではない。自分の生きがいとして、人生の豊かさにつながるところで、能力の備蓄、可能性のゆとりを持つことである等など。 
外山先生はいつも思うのですが、比喩がとても巧みです。人生を酒作りやマラソンや囲碁に例えて話すなど随所に見られます。発見する、新しいものを考える源泉には比喩、類推というような広義の比喩作用がとても大切だということをおっしゃっています。そして、知識を入れるだけでなく、むしろ活発に忘れることも大切と強調している。忘れることで心はいつも新しいものを迎えるゆとりを持つことができるという。この考え方、都合良く解釈し、忘れっぽい私などには大いに味方しているようで嬉しいものです。
それにしても、1923年生まれということは・・先生おいくつですか~!?(多分この事実が一番びっくりです)
是非とも気軽に皆さんに読んでいただきたいお勧めの本です。

レビュー投稿日
2012年1月15日
読了日
2009年7月31日
本棚登録日
2012年1月15日
0
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『ライフワークの思想 (ちくま文庫)』のレビューをもっとみる

『ライフワークの思想 (ちくま文庫)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

『ライフワークの思想 (ちくま文庫)』にピッピさんがつけたタグ

ツイートする