怪力乱神

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  • 中央公論新社 (2007年8月1日発売)
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感想 : 4
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 中国の明清時代に「小説」というスタイルの文学が流行る。小説というのは現代日本でいう「小説」とは意味がすこしずれている。明清期の「小説」とは、「大説」(=孔子の大切なお言葉)の対概念であり、平たくいえば、孔子が言わないような「つまらないお話」ということである。ちなみに清代には『子不語』(「孔子が語らないこと」の意)というタイトルの書物が出ている。

 では、孔子が語らないこととは何か。それは論語のこの一節を読めばわかる。

  子、怪力乱神を語らず。

 孔子はホラー、オカルト、バイオレンス、エログロのような話はしない、というのがこの一節の意味。(神仙思想のようなことなど、実際には語っていると思うが。)

 加藤氏の本書は、中国古典文学を紐解き、魅力的な怪力乱神のお話を紹介していくというものである。
 出だしはかなり面白かったが、途中から類書のごとく雑念ととりとめのない話をしているような気がしてきて、最後には飽きてしまった。

魅力的なお話もたくさんあります。漢籍について雑多な知識を蓄えたい人はご一読を。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年8月13日
読了日 : 2014年8月13日
本棚登録日 : 2014年8月11日

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