宇宙 (福音館の科学シリーズ)

3.94
  • (30)
  • (18)
  • (31)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 333
レビュー : 34
著者 :
制作 : 加古 里子 
葛城剛志さん 絵本   読み終わった 

 2018年5月にかこさとしさんが亡くなった。
この人が描いた本は昔ウチにも一冊あったな・・・と思い本屋で再び見つけてきたのがこの本。

 ノミのジャンプ力を人間に置き換えるとサンシャイン60ぐらいの高さまで飛び上がれる…といったミクロな世界から動物のスピード競争、世界の高層建築、乗り物の進歩とスピードアップ…と、次第に視点が巨大化していき最終的には銀河群を俯瞰するまでに広がる。
その構成上様々な動物、建築物、乗り物が登場してちょっとした図鑑のようであり、しかも比較可能な状態で挙げられているのが面白い。
中でも子供の心に刺さったのは新日鉄大分高炉とホーバークラフトが載っていた事だった。
残念ながら大分ホーバーフェリーではなく英国の大型艇だったが「高速船と言えばホーバークラフト」という時代も反映していて大変よろしい。

 なにぶん40年前の出版なので現代の宇宙観と多少違う所(冥王星が惑星に分類されていたり)もあるが、そんなのは瑣末な事に過ぎない。
それより(一応)子供向けの絵本ながら一切モヤモヤした表現を用いず、徹底して「科学の目」を貫いた妥協の無い姿勢が賞賛に値する。
子供向けとは「子供騙し」という意味ではない。
むしろ子供という「コネやカネが通じない相手」に対して真摯に向き合うという意味で一般の科学誌より遥かに素晴らしい本である。

レビュー投稿日
2018年5月21日
読了日
2018年5月21日
本棚登録日
2018年5月21日
1
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『宇宙 (福音館の科学シリーズ)』のレビューをもっとみる

『宇宙 (福音館の科学シリーズ)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする