佐竹の小説で気になるのは太田資正の扱いですが、この物語では資正と犬にまつわる話がいくつか登場し、また彼の生き方そのものも義重に影響を与えており、思わずにやりとしました。ただ、小田原征伐での資正と秀吉とのやり取りには不満でしたが。
そして主人公の佐竹義重はというと、鬼義重の異名のごとく戦場での勇猛な描写が目を引きます。一方で配下の諸将の扱いに配慮しているところは、必ずしも主君―家臣の関係ではなかった佐竹氏の常陸支配の難しさを感じました。義重は比較的若くに隠居したため息子の義宣の代になっても影響力があり、この小説でも隠居後の義重が義宣を見守るといった姿が印象に残りました。
読了日 2011年4月
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史小説
- 感想投稿日 : 2011年4月5日
- 読了日 : 2011年4月
- 本棚登録日 : 2011年4月1日
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