陰翳礼讃・文章読本 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2016年7月28日発売)
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感想 : 33

◎まずは、「文章読本」を読了。

もともと、私は実用書より小説派ですので、小説を読むより少し時間がかかりましたが、難しいぞ!と思うページは適当に流し読みするなどしながら、読み進めて最後までたどり着きました。

・エッセイのような、大学で谷崎の講義を聴いているような感じの読み物
・文章を綴る人が、作文にあたって配慮すべきこと、心にとどめ置くべきことを並べ、持論を展開
・特に気になったのは
-古くからある言葉を優先すること(安易に外来語を使わないこと)
-造語しないこと
-品のある文章を作ること(そのために、自分の品位を磨くこと)
-できるだけ声に出して読んで推敲すること
(句点、読点の付け方や言葉づかいも変わる)
 といったあたりでしょうか。

また、「饒舌にならぬこと」というのも、日頃文字数が多くて悩める私にはぐさっと刺さるところでした。(既にこのメールの文字数でアウトですね)
なんとなく、「読む人がどう理解するか、どうとらえるかをしっかり考えて文章を作るべし」と言われている気がして、身につまされました。

また、この本を通して、文章を書く際には、伝えたいものの本質はどこにあるのかを考えて、言葉を選び(漢字や仮名の文字使いも含めて)、用法や文体を考えるのがよい、という姿勢が貫かれているようにも感じました。

・単語数の少なさ(それゆえの広がり)、主語を表す多彩な表現(君、あなた、お前、貴殿、…など)、敬語を用いて隠れた主語を表現すること(「おっしゃる」と言っただけで主語がなくてもその場に登場している目上の人物の動作と分かる)…など、西洋文と異なる日本語独特の特徴を指摘し、その良さを美しい文章づくりに活かそうと工夫を重ねる文豪の努力もすごいなぁと思いました。

・この本が執筆されたのは昭和9年とのこと。文章は確かに谷崎らしい流れるような感じですし、出てくるちょっとした事例も時代を感じるものでしたが、指摘されていることや視点は、まったく的確で、なるほどと感じ入ることばかりでした。

・文章読本、という名前のものは、世間に数多く出版されているらしく、文豪の著作では、川端康成や三島由紀夫も同名の本があるようです。いずれも、綺麗な日本語を奏でる人たちなので、いつか読んでみてもよいかなぁと思っています。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年3月14日
読了日 : 2016年10月12日
本棚登録日 : 2017年3月14日

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