風の谷のナウシカ 全7巻箱入りセット「トルメキア戦役バージョン」

著者 :
  • 徳間書店 (2003年10月31日発売)
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本棚登録 : 4679
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東宝の「一生に一度は、映画館でジブリを。」キャンペーンのおかげで、映画館の大画面で見ることができたナウシカ。

最近の、CGの技術が駆使され緻密できれいで滑らかに動くアニメに比べると、さすがに40年前の映画の画像はレトロではあるけれど、でも、物語が持つ迫力と強いメッセージは、その後のジブリアニメでも到底追いつかない、すごい映画だと改めて思いました。セリフも音楽もすっかり覚えてしまうくらい何度も見ているのにやっぱり感動。

というわけで、この機会に改めて重いテーマの原作本に触れたくなって、本棚の奥に大事にしまい込んであった7冊をン十年ぶり?にひも解いてみました。
ン十年前にはじめて原作コミックを読んだとき、映画とのあまりのストーリーの違いに驚愕し戸惑ったものですが、さすがにこちらも大人として成長してからの再読なので、味わいが違います。

どうして宮崎アニメがいつも胸に刺さるのか…それは、宮崎駿氏が、表現したいもの、伝えなければならぬと思っているものの軸が常にぶれていないことにあると思います。

宮崎アニメの中を(強く打ち出されるかほんのりと描かれるかは別として)重奏低音のように常に流れている、戦争のむごさと愚かさ、自然に対する人間の振る舞いの傲慢さ、権力者によって作り出された差別や格差、それらに対する怒りと悲しみ、どんな世界にもどんな文化圏で生きる人々にも大切にしていることや生活があること…そして思いやりと労りと希望を持つ人々の姿、それらがまさにてんこ盛り。

「人間の業」をずーっと考えながら読み進めた7冊でした。ナウシカを映画館で初めて見たあの時より、描かれる架空の世界が現実味を帯びてきているように見える今日この頃。世界はどうなっていくんだろう。私たちはどうしていけばいいんだろう、そう思わずにはいられない。

映画では若干ヒール的な面があったトルメキアのクシャナが、原作では一味違うキャラクターで描かれています。ナウシカが意図せず内面から迸る光を周囲に降り注ぐカリスマだとしたら、クシャナは自らの役割を自覚し振る舞うことで周囲を導くリーダー。原作ならではのキャラクター対比も、改めての再読で楽しみました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年7月19日
読了日 : 2020年7月18日
本棚登録日 : 2020年7月19日

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