屋根裏の散歩者 (江戸川乱歩文庫)

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本棚登録 : 524
レビュー : 37
著者 :
依汐さん 短編集   読み終わった 

子供向けの文庫で読んだような、テレビドラマで見たのを読んだと思ってるような…
どちらにせよ、今回、初めてまともに意識して江戸川乱歩作品を読みました。
やはり、今の時代に読んでも十分に面白いですね。
むしろ、いろいろな制約が設けられている現代では、こういったお話は読めないんじゃないかな、と思います。
北村薫先生の「街の灯」で、女学生が江戸川乱歩の小説を読む事は憚られる時代があった、というエピソードを思い出しました。
その話に出てくる作品も、「屋根裏の散歩者」でしたが、
私の中の江戸川乱歩作品は、もっとエログロナンセンス全開のイメージだったので、
この程度の表現や内容で、社会的抑圧が降りかかるのか!と驚きました。
ある程度は倒錯趣味に関して理解のある現代の感覚では、
同じような内容の話を書いても、ここまで面白くはならないだろうと思います。

この短編集の中でも、私が気に入ったのは『火星の運河』で、
『鏡地獄』、『押し絵と旅する男』、と続いて並んでいるのが粋ですね。
前衛芸術的でファンタジックな世界観が一服の清涼剤の役割を果たしていると思います。
一読では全貌を見た気にならないのが、奥深くて素敵です。

レビュー投稿日
2013年9月23日
読了日
2013年9月23日
本棚登録日
2013年9月14日
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