本書の内容に関して大きく分けると実際の「M&Aの裏側」に関する部分と著者の「プロフェッショナルとしての歩み」の部分とに分けられる。前者では、実際に著者が関わったM&Aの裏にどのようなドラマがあったのか、そして、そこに著者(とゴールドマンサックス)がどのように関わったのかが明らかにされている。

著者の「プロフェッショナルとしての歩み」については、著者がどのような経緯でゴールドマンサックスに入社することになったのかや、働く上で大切にしていたこと(後述)などが書かれている。また、ゴールドマンサックスで出会ったの傑物たち(ワインバーグ、ルービン、ポールソン)や経営者たち(稲盛和夫、永山治)とのエピソードも面白い。

この本は、投資銀行や資本市場関連で働こうとしている人はもちろんのことだけど、これから社会に出て行こうとしているすべての若い人にも読んでほしい。とくに専門性の高いプロフェッショナルを目指している人、あるいは絶対に社畜にはなりたくないと考えている人にとっては得るものが多いはずだ。

2018年5月26日

読書状況 読み終わった [2018年5月26日]
カテゴリ ビジネス

本書は、勉強はしているんだけれどなかなか成果につながらない。そもそも、インプットすることが苦痛で仕方がないといった悩みを抱えている人に読んでもらいたい本です。とくにアウトプットで高い成果を出したいと考えている方には得るものが大きいでしょう。

インターネットが生活のインフラになり、スマホが常に手元にあるような環境が当たり前になるとどうしても「情報摂取過多」になってしまいがちです。

つまりこれは「情報デブ」になる環境が整っているということです。

そうなるのを避け、魅力的な人間になるための方法が本書には書かれています。

「情報デブ」には簡単になれますが、魅力的で生産的な人間になるためには能動的に行動しなくてはなりません。

本書は、そのガイドブックとして役に立つこと請け合いなのです。

2018年5月14日

読書状況 読み終わった [2018年5月14日]
カテゴリ 読書術、勉強法

この本を読んでいて強く感じたことは、今後のエネルギー分野におけるアメリカと中国の影響力の強さです。現在のエネルギー大転換の底流には、アメリカのシェール革命と中国の経済成長に伴うエネルギー消費量の増大があります。

シェール革命によりエネルギーの自給自足が見えてきたアメリカは世界の警察である必然性が少なくなってきていて、それが中東の騒乱にも繋がっています。もちろん、それは日本のエネルギー政策にも大きな影を落とします。今後は石油やLNGの多くを中東からの輸入に頼るのは大きなリスクにつながりかねません。

本書にもあるように、国の根幹をなすエネルギー政策は「安全、環境、経済性、安定供給の4つの要素の最適バランスを見つける」ことが重要になってきます。冷静に、そして長期的視点をもってこのエネルギーの最適バランスを見つけ出し、その実現に早急に取り組むことが求められます。

本書は国際政治の動向、国の経済といったマクロな視点だけではなく、電力会社、商社、エネルギー企業の取り組みなどミクロな視点もふんだんに取り入れられていて読みやすかったです。本書の著者は広範なキーパソンへのインタビュー、そしてエネルギー分野への造詣の深さ、そしてバランスのとれた視点で物事を見る力が傑出しているように感じられました。

本書は次のような人にとくにおすすめできます。

国のエネルギー政策に関わるような人
エネルギー関連のビジネスに従事されている方
投資家としてエネルギー企業への投資を検討(あるいはすでに投資)している人
国際的なニュースに対してより深く理解したい人

2018年5月9日

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カテゴリ 経済

オーディオブックで聴いた。本書はサントリー二代目社長佐治敬三と作家開高健との友情の物語でもある。また、鳥井信治郎から始まるサントリーの歴史や日本におけるウイスキーやビールの歴史を書いたものとも言える。登場する人物も豪華で、小林一三、松下幸之助やSBI社長の北尾吉孝の父親なども登場してくる。書いたのは、西郷隆盛や白洲二郎などのノンフィクション作品を世に送り出してきた北康利。面白くないはずがない。

2018年1月25日

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カテゴリ ビジネス

皇帝コンスタンティウスからユリアヌス帝、テオドシウス帝の治世を描く。この期間は多神教であったローマがキリスト教という一神教に支配されていく過程でもある。ユリアヌス帝だけが、その問題に気づきローマをかつてのローマにしようと奮戦するが、結局その努力も水泡に帰してしまう。テオドシウス帝の時代になると、もはや皇帝は司教(羊飼い)の従順な羊でしかなくなる。著者がどこかで書いたようにキリスト教によるローマ帝国乗っ取り大作戦は成功したのである。

2018年1月28日

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カテゴリ 歴史

まず、タイトルに「仮想通貨革命」という言葉がありますが、全体の中で仮想通貨について述べているのは3章のみです。本書の主題は仮想通貨ではなく、働き方革命の方にあるので注意が必要。仮想通貨はその働き方革命をすすめるためのひとつの方法として取り扱われています。本書を読めば、なぜ過労死ラインを超えるような長時間労働が常態化するかやなぜ日本企業は世界での競争力を失い、グーグルやアップルのような巨大企業を生み出すことができなかったのかがわかります。また、今後やってくるフリーランサーの時代に個人や企業がどのように対応していけばいいのか、そしてそこに仮想通貨はどのような役割を果たしてくれるのかが理解できるようになっています。

2018年1月10日

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カテゴリ 経済

500ページ近い大著ですが読みやすいです。僕はいつも就寝前の時間をこの本にあてていました。著者の作品の多くは国家のあり方、そしてリーダーのあり方を述べています。今回のギリシア人シリーズもそうでした。どうしても現代に生きる私たちは、民主的なことイコール善という考えをもってしまいがちですが、必ずしもそうではないことを塩野さんの著作全般から学ばせてもらいました。今回の主人公アレクサンダー大王も独裁者といえばそのとおりで、ある事件の際には、哲学者たちから大きな批判を受けたそうです。しかし、彼らの言論の自由は、独裁者であるアレクサンダーが亡くなった後に失われたというところなどは思わず「うーん」と考えずにはいられませんでした。歴史長編はこれで最後ということで本当にお疲れ様でした。僕は、ローマ人の物語があと2巻残っているのと中世を書いたものの多くが未読なので、もう少し塩野ワールドを楽しめそうです。

2017年12月30日

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カテゴリ 歴史

ローマ帝国再建を目指した二人の皇帝ディオクレティアヌスとコンスタンティヌスが主人公。前者は帝国を分担して守ることで蛮族の侵入から守ることを目指し、後者は新都の建設、そしてキリスト教の公認という方向転換で帝国の再建を目指した。確かに、これらのことによってローマ帝国の延命には成功したと言えよう。しかし、その代償にローマ帝国はかつての姿とは別物になってしまう。軍や官僚の肥大が増税に繋がり、一神教のキリスト教を公認することで、多神教の世界が失われ、そして寛容の精神も失われていくのであった。

2017年12月10日

読書状況 読み終わった [2017年12月10日]
カテゴリ 歴史

なぜ優れた賢帝の時代に「帝国の衰亡」が始まったのか?が本書の主題です。本書では五賢帝の最後マルクス・アウレリウスから息子のコモドゥス、そして内乱を経てのセプティミウス・セヴェルスの治世までが記述されています。西暦でいうと紀元121年から212年までのおよそ90年間が本書の範囲となります。主題への解答は本書に任せますが、まさに賢帝の時代に衰亡への種がまかれていたことがよくわかりました。

2017年11月7日

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カテゴリ 歴史

子どもに対する不適切な関わり方が、子どもの脳そのものを変えてしまうという事実に衝撃を受けた。子どもへの不適切な関わりといえば「虐待」というキーワードがまず浮かぶが、本書では、より広い概念として「マルトリートメント」という言葉が使われている。このマルトリートメントには、言葉による脅し、威嚇、罵倒、あるいは無視する、放っておくなどの行為のほか、子どもの前で繰り広げられる激しい夫婦げんかも含まれている。本書では、それらの行為が行われたときに、子どもの脳にどのような影響があるのかを明らかにするとともに、そういったマルトリートメントを受けた子ども、そして加害者側である大人に対してどのような対処や療法が必要なのかが具体例とともに紹介されている。子どもたちを助けるとともに、親(をはじめとする養育者)を助けることが重要であるという著者の意見に強く賛成したい。

2017年10月20日

読書状況 読み終わった [2017年10月20日]
カテゴリ 教育、子育て
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