闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252))

3.88
  • (135)
  • (120)
  • (150)
  • (14)
  • (3)
本棚登録 : 1208
レビュー : 140
制作 : Ursula K. Le Guin  小尾 芙佐 
繭さん  未設定  読み終わった 

入り込みすぎて、読後こころが…持て余すほど重い…

ル=グインの描く未来世界、もうひとつ(?)の宇宙での話。
極寒の常冬の星に住む、両性具有(?)の人々と、そこに降り立った大使の物語。

ル=グインの作品の魅力は、何と言ってもその世界観の広さと重厚さだと思います。
ひとつの連続した宇宙の話を書きつつ、そこに存在する星々は多様で、われわれとは全く違う世界、文化、宗教、生態系で生きている。そんな世界を次々と描き出す作者に、畏れすら抱くほどです。

今回の作品も、ゲセンの世界が目前に迫るようでした。
当初は大使ゲンリーと共に、未知の世界に戸惑い、好奇心を感じ、緊張感を持って受け止めました。そしてクライマックス、男と女である「異星人」(ゲセンの人々から見て)に再会するときには、顔をあげればそこにいる人々であるにも関わらず、再度ゲンリーと共に驚き、当惑します。
あの長い作品を読むうち、私も彼とともにゲセンに暮らしていたような感覚がありました。

前半部、何もかも異なる星での暮らし、交渉、結末…そして、壮大な後半部に描かれる、文化や背景をすべて超えたふたりだけの真っ白な向き合いと、私の思うどの形とも違う「愛」

苦しくて愛おしくて、言葉になりません。

それでも、人のこころから生まれるのは、未知への好奇心、未来への希望。
ラストシーンに、彼の子に救われました。

レビュー投稿日
2014年2月14日
読了日
2014年2月14日
本棚登録日
2013年11月3日
1
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252...』のレビューをもっとみる

『闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252))』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする