確かにこれは映像化難しいやつ。
勢いでHuluのやつも見てしまったけど、読む前に戻りたかったなー、読んでなかったら騙されたかもしんない。
最後の1行が衝撃的という話を聞いていたので、あーこれかーと思った(厳密にはガチのラスト1行ではなかった)。
もしかしてこちら側の人間が犯人なんじゃないかとは読み進めるうちに思うようになったけど、まさかそこが同一人物だとはおもわなかった。
でもなんかもっとキレイに騙されたかった…!ミステリの歴史のひとつの作品だから仕方ないといえば仕方ないのかな。
これを越えようとするたくさんの作品たちを私たちは読んでしまっているからな。
ミステリの楽しみ方、そのひとつはもしかして、今発売されてる旬のミステリを読む、ということにもあるのかもしれない。

2025年3月31日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2025年3月30日]

少し突き放したような目線を感じて、ちょっと面くらった。
これまで自分が読んできた朝井リョウの作品は、ある種主人公にどっぷりというか、深く人物のキャラクターにつかって、最後は彼らが気づきたかったけど気づけていなかったところにたどり着く、それでめっちゃ泣ける…みたいなのが多かったので、今回の「生殖記」はそういう意味で突き放しているように感じたのだ。
途中、お、そうだよ、この主人公、ここで大きくハンドルを切るのでは⁉︎と思わせるところがあり、自分もそうなってほしいー!とすごく祈って読んでいた。でも、そうはならなかった。どうしてそうしなかったんだろうと、私は考えた。
私が思う主人公の幸せは、私の思い込みに過ぎないかもしれないということ。「物語」のように行動に移せる人は、実際にはかなり少ないのではないかということ。そして、彼がこの選択をした理由の半分は環境や社会にあり、彼自身だけの問題ではないということ。
彼は最後、ちょっとおかしな選択をするように感じるけど、でもそれをおかしいと感じるルールからものを見てない人から見れば、私たちが生きているこの資本主義をベースにした社会は、実はすでになにかの病気みたいなものなのかもしれない。みんなが病気にかかっていて、それに気づいていながらも治そうとしないから、彼がちょっと変に見えているだけなのかもしれない。
最後に主人公が感じている軽やかさは私も知っている軽やかさで、ものすごく気持ちいいものだと分かるから、自分が感じているこの気持ち悪さを、なんで主人公を幸せにしてやらなかったんだと思う不満として片付けてしまうわけにはいかない気がした。

2025年3月8日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2025年3月7日]

あー豊かな本だった。
学者という人種の、1番純粋な部分をギュッと凝縮して体感するような時間だった。
大学教授という人たちは、もし本当に、こんなに好きで仕方がないことを、好きという気持ちが当たり前になるほどに仕事にしているのだとしたら、すごく人間の本来あるべき姿というか、人間は好きを学び、またその学んだことで自分が一から作り直されていく存在なのだと思わされた。
これはどこまで本当のことなんだろう。なんか現実と創造の合間のようなところを漂う物語の在り方で、それ自体がなんだかすごく自由な感じがした。
なんだかとても、文学にしか辿り着けない自由を描いているようで、読んだ後すごく気持ちがいい。ただし、最後は焼鶏屋でいっぱいやりながら読んだので、酔っ払ったゆえの感想かもしれない。

2025年2月28日

読書状況 読み終わった [2025年2月28日]

自分から進んで読んだ、はじめての哲学書。
森美術館のストアのインスタで紹介されていたのを見て、興味をもって購入した。
「時間」について、なんとなくピンと来たのである。私たちが生きているこの時間の流れとは別の時間の流れというものが存在している…というような紹介の仕方だったのだけど、なんかそれが「わかるかも」と思ったのだ。
本書は哲学書といいながらも、半分エッセイのような語り口でとても読みやすく「何を書いているのか全くわからない!」という箇所はほとんどない。ときどき、あれ、この話何回目?と同じ話を何回もされているように感じることがあり、そのときに「私は何かを読み取れていないのかもしれない…」と感じる程度の難易度。
私たちが今生きている世界は、資本主義を背景とした直線的な時間。いつか終りがくる、効率性や成果が重要視されている時間。対して、里山に流れている時間は、春が来て夏が来て秋が来てまた冬がくる円環の時間。その時間は自分が死してもなお続いていくことを前提にしたずっと続いていく時間。
それぞれの時間を背景にすると、「仕事」の意味も、そこに対する人間の向き合い方も全然ちがってくる。
自分たちが辛くなることの原因はこの「直線的な時間」の捉え方(そして資本主義)にあるのかもしれないと思わされた。
読んでいる間、付箋をたくさん貼ってしまった。
これは自分の本棚にずっとおいておいて、折に触れて読み返したい本である。

2025年2月24日

読書状況 読み終わった [2025年2月24日]
カテゴリ その他

最近難しい本ばかり読んでいたので、一気に読める推理小説が読みたい気持ちで手に取った。
一気に読めた!でも、東野作品を読むときに感じる背中のゾクゾクした感じが今回は感じられなくて、もしかして陽の当たるポカポカしたところで読んだのがいけなかったのかもしれない。
架空犯って、タイトルがかっこいい。

2025年2月17日

読書状況 読み終わった [2025年2月17日]

仕事で読む必要があって読んだ本だったけど、思いの外、自分が普段関心を持っていることに近いところにあることが書いてある本で、興味深く読んだ。
汚穢と聖なるもの。その二項対立みたいなものは、いろんなところにある。様々なレイヤーに存在しているこの二項対立を次々に見ていくと、自分自身も色々なことにこの線を引いて生きているなと感じられた。自分は、価値観の中にある汚穢と聖なるもののようなことが少し許せない気持ちでいて、汚穢の価値観を世の中に少しずつ浸透させたいように考えていたけど、むしろその浸透させることを良しとしないこと、そのこと自体を否定するという意味で線を引いていたなと、自覚した。
何かを良しとしようとすることは、他方、何かを違うとすることでもあり、それはいいことなのか悪いことなのか、簡単に態度を決められることじゃないと思ったし、決めなくてもいい、むしろその迷っている、考え続けている、という態度が案外いちばんしっくりくる態度なのかもしれないと思った。

2025年2月17日

読書状況 読み終わった [2025年2月8日]
カテゴリ その他

会社の人にすすめてもらって、年末年始これよもう!と思って借りていた本を、お休み明けから読み始めた。
読み始めたら最後、ほんとに止まらずに、読んでいない間は禁断症状出ちゃうかと思うくらい、続きが気になって仕方がなかった。ほんとに面白かったな!アニメもあるらしいから観たい!
感想はまだなんかうまく出てこない。ちょっと一回落ち着こう。

2025年1月11日

読書状況 読み終わった [2025年1月11日]

年末年始に読みたい(と思うはずだった)本をいくつか借りていたのだけど、この年末年始は結局、目に留まった読みたい本を読むことになった。新年1冊めは、まさかの「あるミニマリストの物語」。まさかこれを読みたくなると思わなかったな。しかも、読みはじめてみれば、再読だった。生活を見直したいタイミングなのかもしれない。
以前読んだ時は、なんかいいこと書いてあんな、とサラッと読んでしまったかもしれない。改めて読んでみて、前よりも腑に落ちて分かることが増えていた気がする。ミニマリストになろう!とは思っていないけど、生き方を見直していったら、結果的にはミニマリストになるのかもしれない。

2025年1月3日

読書状況 読み終わった [2025年1月1日]
カテゴリ 随筆・随想

京都の恵文社で気になって手に取って、積読していた本。そのとき、著者のプロフィールを見て、雑貨屋さんかぁ、なんかオシャレ系の人なのかなとざっくり自分の中でカテゴライズして、その瞬間に少しだけ本への期待が下がった感覚を覚えている。雑貨、オシャレというものが持っているイメージに、早速惑わされていた自分だ。
今かなと思って読みはじめたこの本は、私のそんなイメージを見透かしたように、雑貨屋の店主として、今の世の中を思ってもなかった角度から切り込んでくる。皮肉屋さんとも少し違うけど、でもやっぱり、今のメインストリームな感覚(オシャレというやつかもしれない…)から離れながら、それを眺めている(それだけじゃないけど)。
いくつかハッとさせられる文章があって、とにかく私とは違う地平からこの世界を眺めている人が書いた本なんだという感想をもった。
最後の橋の話、Yさんの話は、半分ファンタジーみたいな不思議な読後感で、ゆらゆらとこの世界にまた放り戻される感じがして、なんかとても、よかった。

2024年12月21日

読書状況 読み終わった [2024年12月21日]
カテゴリ 随筆・随想

すげえかった…一気に読み終わった今、頭がぐわんぐわんしている。
このあいだ読んだ、田中美津さんの「かけがえのない、大したことのない私」の中で本作品について言及しているところがあって興味を持った。自分はこの事件が起きたときしっかり小学生だったはずだけど、全然覚えていなかったので、事件自体は知っていたけど、もっと昔のことだと思っていた。97年、私の感覚では意外と最近だ。この作品の中では2000年になっている。
今、この年齢でこの本を読んだことにも宿命めいたものを感じる。私は30代なかばを過ぎていて、この4人とはほとんど同世代だ。そして私は最近、自分の目の下の濃くなってきたクマとか、昔より丸くなったなーと思う顔とか、笑っていないと自然と下がってくるほっぺたなんかを鏡の中で見つけては「あーあ」と思っていたのだ。自分から何かが失われていくようで怖かった。一言でいうと「若さ」のようなものだと思うのだけど、でもそれだけじゃない気がする。「若く見えるね」とか、本当に時々だけど「きれいだね」と言ってもらえる自分とか、鏡をみて今日はいい感じだなと張り切れる自分とか。それはルッキズムと呼ばれるものなのかもしれない。自分はそんなものには踊らされないと思っていたけど、この本を読んでいて、私の中にも和恵がいることをはっきりと悟った。そしてそれがきっと、私一人の目じゃなくていわゆる「世間」「社会」の目も一緒になってつくっている和恵なのだと思った。
なんて生きづらい世の中なんだろう。そんなこと気にしなければいいだけだから、その生きづらさは結局自分がつくっているといえばそうなんだろうけど、でも、じゃあそれって自己責任だと言われると反論したくなる気持ちもある。あんたが弱いだけだと言われたら、強さを求めてくる社会ってなんなんだと机をバーンッと叩きたい気持ちになる。
自分だけに集中して、自由になることが、どうしてこんなに難しい世界なんだろう、人間なんだろう。誰のせいでもない自分のせいなのに、自分のせいだけにはしたくない気持ちがまだある。
とにかくすごい本だった。桐野夏生さんの本は、なんとなくそのイメージから怖くて今まであまり手を出してこなかったのだけど、それはあたっていた。こわい。そして読み切るのにすごく体力と気力がいる。それから一気読みできる時間も必要だ。

たくさんの女の人が、たくさん大変な目に遭って、たくさん辛い思いをして、それで今私たちの手に「幸福だ」と思えるいくつかの瞬間があることを、忘れてはいけないと思った。和恵たちがいなければ、今のこの不完全な自由ですら感じられれている私はいなかったかもしれないのだ。

2024年12月8日

読書状況 読み終わった [2024年12月8日]

少し前に東京都現代美術館へ行ったとき、売店でなんか良さそうだなと思って買った本。小林孝亘さんというこの画家のことは全然知らなかったし、絵を見ても見覚えがなかった。
だけどこの本は、今の自分にすごくよく馴染んで、なんにせよ心地よかった。生き方を教えてくれるような気さえした。アーティストというと、才能のまま突き進んでいく人のようなイメージがあるけれど、きっとそうでもあるのだろうけど、それよりも絵を描きたい人であり、感じたことを絵にしたい人でその道をただただ歩き続ける人なのだと思った。だから完璧を求めるという感じは全然なくて、ずっと探りながら自分と対象と対話をしながら歩いている感じ。
その周りを当たり前に並走する暮らしもまたとつとつと続いていく豊かさがあって、こんなふうに生きられたらなぁと思わされるリズムがあった。
私はこの人の文章がとても好き。嘘をつかず、飾らず、かといって自分を変に客観視する距離もなく、ただただ感じたことから書き起こされていく感じが、すごくよかった。
現美でこれを買った自分は、すごくいい勘をしていたと思う。
そしていま、とっても日記を書きはじめたい気持ち。この小林さんみたいな距離感で自分の毎日を記録していったら、自分にとって大事なことが起きそうな気がする。

2024年12月6日

読書状況 読み終わった [2024年12月6日]
カテゴリ 随筆・随想

碇雪恵さんの「35歳からの反抗期入門」を読んだら、その中に田中美津さんという人の言葉と本が紹介されていた。
かけがえのない、大したことのない私。って、これだけ聞いてもすごく素敵な言葉だなと直感的に思えるものだったけど、碇さんの美津さんの紹介がすごく素敵で、田中美津という人にすごく興味を持った。
この本は田中美津さんが色々なところに残した言葉を集めた本で、雑誌の対談とか講演会で話したこととかがまとめられている。どの場面でも美津さんは美津さんでしかなく、こちらが怖気つくほど、いつでも美津さんを貫いている。
今年の夏に亡くなったらしいのだけど、こんな女性がいたならもっと早く知りたかったなと思った。
自分は、今生きてる者として、当たり前に女性差別的なことは嫌だけど、自分自身はあまり女性であることから、ことさらダメージを受けたことはない。でもそんな世の中は美津さんみたいな先輩たちがいたからなのだなと思う。
一方で、女性としてというより、自分として、自分の自由、意思、そういうものが制限されそうになることにはすごく反抗心を覚える。女性が生きづらかったという意識は、今は、人が自分として生きづらいという問題に変わりつつあるのかもしれない。

2024年12月4日

読書状況 読み終わった [2024年12月3日]
カテゴリ その他

ああまさか、こんな本だったとは。
手に取る前は思いもしなかった。実家には今も愛する柴犬がおり、かつて愛犬を亡くした経験もある自分には、わかりすぎてとても他人事ではない本だった。
この寂しさに耐えられないからと言って、最初からこの幸せを諦めるにはあまりに尊い。
自分がこの世界に生まれてくることと、すごく近いところにある気持ちを、再びなぞった。
実はすごくよくできたミステリーみたいなところもあって、詩に出会いながら、何度も遡って張られていた伏線を拾いにいった。

2024年11月28日

読書状況 読み終わった [2024年11月28日]
カテゴリ 詩集

「ギリシャ語の時間」を読んだら、もっと外国の女性が書いた本を読みたくなって、本屋さんに駆け込んだ。自分に必要な感覚をくれる気がしたのだ。そんなに迷うこともなく、同じハン・ガンの「菜食主義者」を買った。明日の出張の新幹線で読むために買ったのに、買ってその日のうちにあっという間に読み終わってしまった。
ページをめくる手が止まらない。話がスリリングで面白いからというのはもちろんなんだけど、なんか、人間としてやめられない感じだった。
最後の章に差し掛かってしばらくすると、あ、私もこの感じすごく知っている気がするというところにかちあって、だから、止まらなかったのかなと合点がいった。私は知りたかったのかもしれない。この分からなさは、自分への分からなさかもしれないと感じていたのかもしれない。
なんかとてもメモを書きたい気持ちになっている。

2024年11月17日

読書状況 読み終わった [2024年11月17日]

「未来散歩練習」を読んでから、韓国の女性作家の本をもっと読みたいという気持ちになって、ずっと積読してあった「ギリシャ語の時間」に手を伸ばした(ノーベル文学賞もあったし!)。
ぼんやりとした暗闇と、それと対をなすみたいなギリシャ語の教室の蛍光灯(私にはそんな印象)の明るさが、印象に残る。私はこの暗さも明るさも知っているようだなと思った。暗さの方がかえって、自分にとって正しいと感じられることをわからせてくれる、底力のような明るさがある感じ。ギリシャ語講師の男が、明るすぎるよりよく見えると言っていたのはもしかして、そういうことかなとも思った。
途中まではこの話はどこへ行くんだろうとチロチロ進んでいくのだけど、ある瞬間を境に実際の時間はそれまでの経過時間より短いけれどグッと濃密な時間に突入し、そこからは本当に目が離せない想いだった。その時間もやはり薄暗くて、どこか落ち着く明かりの感じなのである。
どのシーンも、どんな明るさだったかということとセットで覚えている。そんな本、初めて。

2024年11月17日

読書状況 読み終わった [2024年11月17日]

終始不思議な本だったけど、この本にしかない不思議な時間が心地よくて、時々何を言っているのかわからない(わかるけど、意味するところがわからない)こともあったけど、それすらもフワフワと心地よかった。読んでいる時間に自分の心をそのままにしておけるような丁寧さがあって、自分も自分の心に無理せず素直にいられるような気がした。
手繰り寄せたい未来のためにどんな今を反復すべきかという問いの意味は私にはまだしっくりと分からなくて、未来なんて来なければわからないし、きっとここでいう未来は、想像した先の未来のことも含んでのことだと思うんだけど、それがどうも自分にはカラダで理解できてる感覚じゃなかった。
もしかしてその感覚を私は知っているけど、書かれていることとこれが同じだ、ってまだ気づいていないだけなのかもしれない。
私もチボー家の人々読みたいなーとか、英語の勉強しようかなーとか他愛もないことを思った。

2024年11月11日

読書状況 読み終わった [2024年11月11日]

長田弘は、自分の中で特別な人(詩人)なので、新しい本が出ているのを見つけるといつも買ってしまう。買ったまま満足して読んでいない弘たちがたくさんいるのだけど(持っているだけでなんだか安心してしまう)、この本は買って割とすぐに読んだ。今の自分に合っていると思ったので。
こんなにして感じたことを、どうしてこんなに伝わる言葉に変えることができるのだろうと、また思った。自分のお気に入りの弘たちをまた読み返したくなった。

2024年11月4日

読書状況 読み終わった [2024年11月4日]
カテゴリ 随筆・随想

高円寺に遊びに行ったとき、蟹ブックスという看板が目に入った。なんか見たことあんぞこのお店と思って入ってみたら、なんとも居心地のいいところで、たくさんの本を買いたくなった。厳選して3冊に絞り込んだうちの1冊がこの本だった。なんか今の自分は、こういうのを読んで、一回人生立ち止まりたい気持ちだったのだ。
したくないことはしなくていいんだと、頭ではわかっているけど、そうは言ってもなかなか難しいのが自分であることをよくわかってるつもりだったけど、なんかこうして具体的に紐解かれると、ああ、そうすればいいんだなって見えてくる感じがして、自分の中の気持ちを探る時間を持つにはいい本だった。気になって作者のphaさんのこと調べてたら、最近になって「パーティーが終わって、中年が始まる」という本を出されていて、どうやらそれがいままで楽しいことして生きてきたけど40歳過ぎたら行き詰まってきた、的なことを出発点にした本ぽくて、この本に勇気付けられた自分は、こっちも読まないといけないのでは?という気になった笑

2024年10月29日

読書状況 読み終わった [2024年10月29日]
カテゴリ その他

面白い!と恐い!が交互にやってきて、読むのがやめられなかった。今日は早く眠れそうな日だったのに、一気読みである。
読み終わったあと、あれ、最初この話ってどこから始まったっけ?と呆然としてしまう。最初は確か、謎のカウントダウンとかあったし、そうだそもそも、一人の女性が三体世界にメッセージを送ったところから始まったのだった。三体世界を体感できるゲームなんてものもあった。そこのことを思い出すと、ほんと、途方もないな!!!笑
この物語を読んでいて恐いと思うのは、この世界(人類世界)が、ほんとーーーーにめっちゃちっぽけで、その中で自分の人生なんてまじで取るに足らないものなのに、でもその取るに足らないものこそなんてかけがえのないものなんだろうと、思い知らされるからだと思う。ものすごい恐いけど、でも、清々しさがある。この生を生き切るしか、私たちにやれることはないぞ⁉︎という清々しさ。
私はSFにこれまであんまり触れてこなかったけど、こんな深淵で清い世界を垣間見えるものだったとは。やーーーーーーほんとすごいなーーーーこの本‼︎まじすげえ‼︎
あ、そして、異常に地球への愛が高まる。戦争なんかしてる場合ちゃうで、ほんま。

2024年10月27日

読書状況 読み終わった [2024年10月27日]

うわーん、面白かったよー。寝不足になったよー。
1.5日で上下巻読み終わってしまう圧倒的テンポ感。
人が殺されてワクワクしてしまうのほんとダメなんだけど、どうやってこんなふうに殺されちゃうの⁉︎いつ⁉︎というびっくりが立て続けにでてきて、この謎回収仕切るんかいなと心配になるくらい。
でも仕切ります。仕切る上に、騙してきます。
あーもう次のものを書き終わってるらしくシリーズ第六作が待たれる!

2024年9月15日

読書状況 読み終わった [2024年9月15日]

ヘルシンキ(フィンランド)と生活、そして練習という単語が連なっていると、私みたいに「ていねいな暮らしって、いいっすよね」というライフスタイルがんばってみたい勢にとっては、自分の時間を大切にするだとか、働きすぎない生活的な、ふんわりとした生き方のようなものにフォーカスが当たった本なのだとはなから思い込んで手に取った。これを読んだらきっと、私も少していねいな暮らしち近づけるに違いないとおもって読み始めたら、関西弁での論旨展開と、この社会と世界への鋭くも真摯な切り込みがうわーっと展開される。当初思っていたような内容の本では全然なかったけれど、ものすんごく面白い本だった!
確かに私たち日本人には北欧、特にフィンランドは幸福度が高い国というイメージが強くて、やたらにいいものと思っているけれど、著者の朴さんはずっと冷静に自分の視点からフィンランドと人間の生きやすさを見つめている。楽に生きるためのスキルがあった方がいいという考え方は、軽やかでいいなと思った。なんだかんだと、日本人はすべてを人格に紐づけて考えすぎるのかも、と思った。

2024年9月15日

読書状況 読み終わった [2024年9月13日]
カテゴリ その他

なんでか気になって、図書館で予約したら、発売したてだったみたいで、たぶん私がその個体としての本の最初の読者になった。
カラダが水を欲しがっているときに、すーっとおいしく飲めてしまうように、この本は今の自分にスーッと入ってきた。
エスターの気持ちがすべてわかるわけではないけれど、彼女が抱えていた違和感は、今の自分にもわかるような気がした。中高生のときや、エスターと同じくらいの年齢のときに読んでもわかったのだろうか、もしかして、今の自分だからわかるようになったのかもしれないなと思った。
社会に出て一通り働いて、自分の中の忘れちゃいけないものがズキズキしてきている今だからこそ。
ちょっと落ち着いて、色々受け止めたいなと思う。

2024年8月16日

読書状況 読み終わった [2024年8月16日]

著者の宮崎さんは、自分への解像度が高いひとだなと思った。私は、自分自身や世の中への自分なりの解像度が高い人に憧れがある。これだけ見つめられる人であることを羨ましいと思った。
自分が忘れかけていたものを思い出させてくれたような節がたくさんあって、自分もまた、世界を見つめ直してみようと思えた。

2024年6月30日

読書状況 読み終わった [2024年6月30日]
カテゴリ 随筆・随想

まさかこんな話になると思わなかった。読み終わってみたあとで本のタイトルを眺めると、最初の印象とは全然違うものに見える。
人が人を想う気持ちや眼差しのようなものにあてられてしまって、なんだか泣けてきた。
お父さんと、お母さんのことを考えた。

2024年6月20日

読書状況 読み終わった [2024年6月20日]
カテゴリ マンガ
ツイートする