今年96歳。我が国最高齢現役チェリスト。インタビューの再構成による対談形式になっております。
音楽のこと、弦楽器のことはわからないのですが、その人生、戦前から戦中、戦後すぐの話は興味深いものでした。そもそもこの本を読むきっかけが新聞広告を見た老母の「戦後すぐにこの人の演奏を直に聴いた。このような音楽があるのかと衝撃的だった。ぜひ読みたい。」というリクエストでした。
戦前の金持ちはすごいね。十良青年もそのお金をオーディオとチェロに費やす。家は借家、布団とチェロをのせたリヤカーを自分で引いて引っ越す。たんすもちゃぶ台もなく三百円(今だったら三千万円以上?)のチェロだけ。潔いです。昔の家は防音なんてなかったから近所の人も毎日10時間の練習にじっと耐える。「将来のある人だから我慢しよう」なんて偉いものです。
You Tubeを検索しました。92~3歳ころに記録映画を撮っていらっしゃる。その予告編が見られます。ところが本で書かれているようには聞こえないんだよね。パソコンのスピーカーで聞いちゃいけないんだなぁきっと。素敵な老紳士です。
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- 感想投稿日 : 2011年9月6日
- 読了日 : 2011年9月5日
- 本棚登録日 : 2011年9月6日
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