チェリスト、青木十良

  • 飛鳥新社 (2011年7月1日発売)
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感想 : 4

今年96歳。我が国最高齢現役チェリスト。インタビューの再構成による対談形式になっております。

音楽のこと、弦楽器のことはわからないのですが、その人生、戦前から戦中、戦後すぐの話は興味深いものでした。そもそもこの本を読むきっかけが新聞広告を見た老母の「戦後すぐにこの人の演奏を直に聴いた。このような音楽があるのかと衝撃的だった。ぜひ読みたい。」というリクエストでした。

戦前の金持ちはすごいね。十良青年もそのお金をオーディオとチェロに費やす。家は借家、布団とチェロをのせたリヤカーを自分で引いて引っ越す。たんすもちゃぶ台もなく三百円(今だったら三千万円以上?)のチェロだけ。潔いです。昔の家は防音なんてなかったから近所の人も毎日10時間の練習にじっと耐える。「将来のある人だから我慢しよう」なんて偉いものです。

You Tubeを検索しました。92~3歳ころに記録映画を撮っていらっしゃる。その予告編が見られます。ところが本で書かれているようには聞こえないんだよね。パソコンのスピーカーで聞いちゃいけないんだなぁきっと。素敵な老紳士です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2011年9月6日
読了日 : 2011年9月5日
本棚登録日 : 2011年9月6日

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