11枚のとらんぷ (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) (創元推理文庫 M あ 1-1)

著者 :
  • 東京創元社 (1993年5月12日発売)
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本棚登録 : 565
感想 : 56
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僕が初めて泡坂妻夫を読んだのは中学1年のとき、文庫化されたばかりの「11枚のとらんぷ」という小説を、カバー買いしたのが始まりでした。とにかくこんなに面白い本には出会ったことがありませんでした。
長編小説の中に短編集が一つまるまる入っていて、マジックの種明かしの体裁をとったその短編集がとにかく滅法面白い。しかも、それが殺人事件の犯人を特定する大事な鍵にもなるのです。いったいどうすればそんなややこしい事を思いつけるのだろう、この著者の頭の中はどうなっているのだろう。それを調べたら理由はすぐに分かりました。この著者は有名なアマチュア・マジシャンだったのです。
それ以来、泡坂妻夫の本はいつも僕の傍らにあり続けました。新作はもちろん読んでいましたが、「11枚のとらんぷ」も本棚のいつも手の届く場所に置かれていました。
そして30年以上がたち、泡坂妻夫の新作はもう読む事が出来なくなってしまいました。でも、今も僕の本棚の手の届く場所には「11枚のとらんぷ」が置かれているのです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 推理小説
感想投稿日 : 2013年2月12日
読了日 : 2013年1月24日
本棚登録日 : 2013年1月24日

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