孤高のメス 第6巻: 外科医当麻鉄彦 (幻冬舎文庫 お 25-6)

著者 :
  • 幻冬舎 (2007年4月1日発売)
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前人未到の脳死肝移植を成功させた当麻は、達成感に身を震わせた。しかしそれは激しいバッシングの始まりでもあった。院内の医師からの抗議、県警からの査問、肝移植研究会の除名勧告など予想外の出来事が起きる。理解者だった島田院長も、近江大が医師派遣停止の通達をするや支え切れなくなる。孤立を深めた当麻は、ついにある決断を下す―。 (「BOOK」データベースより)

全6巻まとめての感想。
ドクターが作者ということで、手術や手当てのシーンなどはさすがにリアリティがあってテンポよく描かれています。
ただ、変な日本語が散見したのが残念。

あとは女性の描き方がなぜそういう風に?と思うところばかりでした。
主人公・当麻先生はぶれないのですが、どうも他の登場人物は出てくるたびに表情や言うことが違ってるなあと思うことしばしば。
どうにも理解できなかったのが、蘭先生の変貌ぶり。
あれで何を伝えたかったのでしょう。
素晴らしいドクターの最後をあんな姿で描かなくてもと思ってしまいますが、作者には何か意図があったのかもしれません。

日本の大学病院のシステム、医療の倫理など、読んでいて歯がゆかったり悔しかったりしました。
当麻先生のようなドクターは理想ではあっても実際には難しいんでしょうね。
ただ、専門医、認定医については、認識を新たにしました、というかさせられてしまいました。
いいのかな?

ドクターは、学会や医局に所属していないと、やっていけないというのもおかしな話ですよね。
大学の教授選や博士論文然り。
医療は机上の学問ではないですからね。
もちろん、知識はとても大切で、必要不可欠なものですが、それだけでは、患者はたまったもんじゃありません。
だから臨床教授っていう制度ができたんでしょう。

医療現場での豊かな経験のある第一線の臨床病院で活躍中のドクターが医学生の臨床実習を指導する。
外来やオペ、病棟の業務だけでも多忙でしょうから、大変ですよね。
ちなみに私の主治医その1(失礼な言い方でごめんなさい)のI先生は臨床教授です。

あ、本の話からだいぶそれちゃいましたね。
私は結末が半分気に入らないのです。
進んだ道はいいとしましょう。
でも選んだパートナーはええええ、やっぱりそうなっちゃう?って感じ(笑)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2014年12月31日
読了日 : 2014年10月24日
本棚登録日 : 2014年10月22日

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