In Defense of Food: An Eater's Manifesto
- Penguin Books (2009年4月28日発売)
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著者は、極端な菜食主義、カロリーダウン、サプリメントなどの欧米的ダイエットに頼るのではなく、果物や野菜を中心とした自然のものを腹八分食べることによる健康的な食生活を提唱している。 今さらながら、ここに書かれていることは極めて「当たり前」のことなのに、アメリカでは食品メーカーによる行きすぎた広告宣伝に惑わされ、このような常識を知ることすらできないまま栄養学的に偏った食文化が根付いてしまった。
ちなみに、アメリカの貧困層は食べるものに困っているというよりは、むしろ肥満に悩んでいるらしいが、確かに砂糖や小麦粉を使った加工食品の方が、新鮮な野菜や果物よりも価格面でもリーチしやすいはずで、食の安全をはじめ、いかに正しい知識や教育を行うかが課題であることはもはや言うまでもない。
著者は、必ずしも科学的根拠について考えることを否定しているわけではないし、きちんとファクトを調べて食べることは大事だが、Nutritionism is not science but an ideologyであるとし、何を、どうやって食べるべきなのかをここで再認識できるようにすべきと主張している。 日本人には初めて聞く内容ではないと思うが、利害関係を超えて、食の安全に関してこのような視点からも真実を語るジャーナリズムがもっと力を発揮すべきではないかと感じた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
健康と食、料理
- 感想投稿日 : 2011年2月12日
- 読了日 : 2011年2月12日
- 本棚登録日 : 2011年1月3日
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