暗幕のゲルニカ

  • 新潮社 (2016年3月28日発売)
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感想 : 572
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ピカソという作者は知っていた。そして、恥ずかしいことに、この本を手に取って私は、はじめて、ゲルニカという作品を知ることになったのである。

ドイツ空軍がスペインのゲルニカを襲った痛ましい爆撃は紛れもない事実であり、ゲルニカはそれをよく表しているように思う。反戦や抵抗のシンボルとされている所以もよくわかる。

ピカソがこの絵を描いてから、もう半世紀以上もの年月が流れている。それなのに、どうしていまもなお国家間の戦争が起きていることか。この事実がやるせなくて仕方がない。

この作品では、ピカソの描いたゲルニカと9.11.同時多発テロの二重描写がされている。歴史は時として繰り返されるものであるが、時代を超えて、繋がる想いがあることも同時に示されている、強い願いの込められたものだと感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年7月24日
読了日 : 2023年6月23日
本棚登録日 : 2023年6月23日

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