まほろ駅前番外地 (文春文庫 み 36-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (2012年10月10日発売)
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本棚登録 : 7411
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人気作家、三浦しをんの直木賞受賞作『まほろ駅前多田便利軒』の続編です。
東京都の西部、神奈川県との県境という設定のまほろ市。
その駅前にある「便利屋」が、この小説の舞台です。
過去を背負いながらも、依頼された仕事に正面から取り組もうとする「多田」と、その同級生で多田の元に転がり込んできた居候「行天」。
この二人の主人公と、そこに依頼を持ち込んでくる依頼主とのやりとりが、7つの短編という形で描かれています。
それぞれの話に謎解きの要素があって、その展開を楽しむというのが、この小説のひとつの楽しみ方だと思います。
そして登場人物それぞれが、「過去」を引きずって生きているということ、そしてその過去とどのように向き合っているかを描いていることが、この小説に深みを感じる所以ではないかと思います。
後半部分を読むと、二人の主人公たちにはまだまだ、描かれていない「何か」がありそうなので、続編も期待したいですね。
前作の登場人物が多く出てくるので、『まほろ駅前多田便利軒』を読んでから、この続編に取り掛かるのが良いかと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2012年12月25日
読了日 : 2012年12月25日
本棚登録日 : 2012年12月25日

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