いやあ、この映画の構成そのものは「シャイニング」の先駆けみたいな部分もあるんですが、いかんせん、ちっとも怖くない。
とにかく、幽霊屋敷のはずなのに、その幽霊がやることといったら座敷童レベルですよ。
ネタバレ覚悟で以下、この幽霊屋敷で起きることを時系列順に書いてみましょう。
シャンデリアがちょっと揺れる
冬なのに蠅が発生する
客の気分が悪くなる
掌の皮膚がほんのちょっとやけどっぽく赤くなる(でもちょっとだけ)
子ども、地下室の階段を踏み外す
トイレの水が突然黒くなる(そのあとは復帰)
置いていた現金がなくなる
クローゼットにベビーシッターが閉じ込められる
子どもが窓枠に手をはさむ
どうです? これってぜんぶ偶然で片付けられる程度のことですよね。実際、主人公の夫婦はそれを怪異現象とも思ってないんですし。
では、いつごろになっておかしいと思い出すか。
それは引っ越しから2週間も経ったころ。
ドアが突然壊れた!!ビックリ!!
でも、それだけ。
なのに、主人公はいきなり警察を呼ぶんですよ!! 普通、それで警察を呼ぶか?
もちろん警察だって、その程度のことでは本気になってくれないですよ。
というわけで何にも起きないままでまた話が進むのですが、ようやく映画開始から1時間半近く経ってついに起きたのが・・・壁に掛けていた十字架がさかさまに!!
天井から彫像の欠片が落ちて目に入って神父さんが失明!
暗闇を歩いていた主人公がつまずく!
主人公が不吉な夢を見る!
いやはや、こりゃ怖い!(反語)
ちなみに、この失明した神父さんは蠅が自分にたかって、気持ち悪くなったという理由だけで「この家は呪われている!」と断定するわりには、そのあとはこの屋敷に近寄ろうともしない、無責任神父なんですよ!
また一人の刑事さんが(何の根拠もなく)、この家のあたりを巡回するんですが、肝心なときにはもちろん現われない!!
だったら神父も刑事も最初から出すなよ!!
本当の意味で超常現象が起きるのはエンディング10分前ですよ。
それも壁から血のようなものがだらーって流れる。
これだけ。いや、本当にこれだけ。
家がぶっ壊れたりするわけじゃないし、主人公に霊が乗り移るわけでもない。家具やお皿が空を舞うわけでもないですよ。
でも、家族はみんなびびって車で逃げ出す──それで終わりですよ。
いや、とはいってそこで車が壊れるとか、ありそうなものでしょ? それもないですよ。普通に車は動くんです。で、みんな普通に家を出て逃げ出すんです。で、エンディング。(≡д≡) ガーン
よくまあ、こんなものを公開したなぁ。ていうか、2時間もあるこの映画を最後まで見た自分を褒めたいわ!
- 感想投稿日 : 2013年1月6日
- 読了日 : 2013年1月6日
- 本棚登録日 : 2013年1月6日
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