「この人、痴漢!」と言われたら: 冤罪はある日突然あなたを襲う (中公新書ラクレ 316)

著者 :
  • 中央公論新社 (2009年4月1日発売)
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感想 : 13

30年以上前に図書館で冤罪の本を読み、心底怖くなったのを覚えている。「警察に捕まったら無実でも人生の終わり」この現実は当時から何も変わっていない。

何もかも過去を賛美するつもりはないが、本書の「昔は現場に足を運び、職人的な真摯さで捜査に当たった警察官がいた。今は成果主義らしく効率的に事件を処理して終わり」というくだりにやりきれないものを感じる。

政治家、軍人、警察、教師...昔もひどい輩はいたが、そうでない人は職業人としての「誇り」を持ち、それに対して一定の「敬意」があったように思う。

敗戦後、自力で勝ち取ったわけでもない個人の権利を振りかざし、既存の権威を否定することで新しい権威に阿ったマスゴミの毒が全身に回った結果がこの惨状ではないかと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2014年9月15日
読了日 : 2014年8月23日
本棚登録日 : 2014年8月23日

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