文庫サイズ写真集。438円。(2010年現在)
438円で良いの?ホントに?という内容です。
表紙も普通の文庫と違っているし、中もカラーページが盛りだくさん。
438円なんて安すぎる!!超お買い得!!
三島由紀夫、と言われて一般的に思い浮かぶ写真は、
恐らく、光を浴びたイメージ写真(よく文庫のカバーに載っているやつ)か、自衛隊の市ヶ谷駐屯地で演説している写真だと思います。
この本では、それとはまた違った三島の姿を見ることができます。
政治家の息子に生まれ、大蔵省勤務のエリート、という筋書きは知ってはいたものの、こうやって平岡邸(本名平岡公威)や三島邸の写真を見ると、「うわあ、どんなけこの人の人生は小説なんだ。」と思います。
それから、この本には「三島由紀夫 死についてのエッセイ」と題して、三島由紀夫が様々な雑誌で書いた死に関するエッセイが収録されています。
その中でものすごく気になったものを一部引用。
「(前略)私は恩寵を信じてゐて、むやみと二十歳で死ぬやうに思いこんでゐた。二十歳を過ぎてからも、この考へがしばらく糸を引いた。しかし今では、恩寵も奇蹟も一切信じなくなつたので、死の観念が私から遠のいた。いよいよ生きなければならぬと決心したときの私の絶望と幻滅は、廿四歳の青年の、誰もが味はふやうなものであつた。(後略)」
私と一緒だ!と思いました。私も何故だか知らないけれど、12,13歳の頃から、私は二十歳まで生きられないと思っていました。どこかで非業の死を遂げるのだと。
しかし18,19歳あたりで、この考えは非現実的だと気づき、20歳を向かえてからは、もう後戻りは出来ない、私はこの先もずっと生きていくのだと思いました。
三島由紀夫はイケメンじゃないです。
だからこそ「仮面の告白」や「金閣寺」などが書けたんだと思います。
イケメンじゃない、でもオーラがあります。
だから今でも人を魅了して止まないのだと思います。
- 感想投稿日 : 2010年2月2日
- 読了日 : 2010年2月2日
- 本棚登録日 : 2010年2月2日
みんなの感想をみる