消えさりゆく物語 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2003年3月28日発売)
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感想 : 11
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「どくとるマンボウ青春期」で北杜夫さんに興味を持ったので読んでみました。
このユーモラスなエッセイを書く人が,どういう小説を書いているのかなーと。

もしかしたらこの作品は北さんの作品の中でも特異なものかもしれませんが。
ちょっとファンタジーな感じでした。短編といえば,現実の切れ端・・・みたいなイメージがあったのでこういう感じはちょっと新鮮。

しかも,一番発表年次が新しいという「みずうみ」みたいな作品をあのユーモラスなエッセイの北さんが・・・と意外に思ったりしました(ほとんど読んだことがないので,ああいう物語も多いのかもしれませんが)。
「駿馬」なんかは,乗馬に通じている人ならではの躍動感がありました。乗馬に疎い私にはわからないことも多かったけど,「フル・ギャロップ」という言葉の響きの気持ちよさと,艶のある毛並みの駿馬が見たこともないのにありありと思い描けて面白かったです。

個人的な好みの問題ですが,短編は「日常の断片」タイプが好きなので今回は星三つです。
今度は長編も読んでみたいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2012年1月22日
読了日 : 2012年1月22日
本棚登録日 : 2012年1月22日

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