空耳の森 (ミステリ・フロンティア)

3.70
  • (30)
  • (65)
  • (63)
  • (7)
  • (1)
本棚登録 : 356
レビュー : 77
著者 :
mametarou77さん ミステリー   読み終わった 

ネタバレあり、読了、88点。

**山で遭難した男女がトランシーバーでのやり取りを頼りに救助を待つ「冷たいホットライン」、離婚する直前の家庭不和の中で子供の心境を巧みに描いた「悲しみの子」など収録の、七河迦南久々の連作短編集**

ネタバレ全開です。というのもこの小説、作品紹介で連作短編集です、と書いてしまうだけで、何も知らずに読んだ読者が受けるサプライズを減衰してしまうんですよね。

短編のネタはどの作品も状況錯誤と簡単に片付けられるもので最初の3つ読んだあたりでミステリ的な期待はかなり薄れてしまいました。
ただしお話としては、結構アクが強いというか暗いテイストが好みで楽しめていました。

ただその段階では各短編がばらばらなのが残念と言う印象を持ってました。
それが少々探偵団の短編と次の短編で同じ登場人物出て来てもっと続き読みたいな〜、と思っていたらさらに次の短編から怒涛の展開。

相沢沙呼さん『午前零時のサンドリヨン』や 米澤穂信さん『二人の距離の概算』みたいな、各短編で話を纏めつつ小さなヒントを提示してラストで小説として一気に畳み込む形式が好きな僕としては非常に満足の行く小説でした。
またラストの落ちもお話として凄く好きなのでこの点も満足。


小説として唯一欠点があるとしたら、七河迦南さん未読の人にはお勧め出来ないことかな。
でもこれを読んで『七つの〜』『アルバトロスは〜』読み返したくなったのでそれだけ魅力のある作品だと思います

レビュー投稿日
2012年12月22日
読了日
2012年12月21日
本棚登録日
2012年12月22日
3
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『空耳の森 (ミステリ・フロンティア)』のレビューをもっとみる

『空耳の森 (ミステリ・フロンティア)』のレビューへのコメント

kwosaさん (2012年12月22日)

mametarou77さん

リフォローありがとうございます。

この作品、ファンとしてはラスト2話は特に胸が熱くなりました。
そして運良く
『七つの海を照らす星』
『アルバトロスは羽ばたかない』
『空耳の森』
の順で読めたことは幸せでした。

まろんさん (2013年3月24日)

はじめまして。フォローしていただいて、ありがとうございます!まろんです。

七河迦南さんの、小さな謎を散りばめて
最後の最後で見事に繋げてみせる魔法に魅入られてしまいました。
手旗信号を見て、あちこちからこどもたちが姿を見せ
学園へと駆けていくラスト、素敵でしたね。

mametarouさんが、これから読みたい作家としてプロフィールに書かれている北村薫さん、
私の大好きな作家さんです。
mametarouさんが北村さんの本を読まれて、レビューを書いてくださる日を楽しみにしています。
今後ともどうぞよろしくお願いします(*^_^*)

mametarou77さん (2013年3月28日)

>まろんさん
初めまして。北村薫さん、未だにベッキーさんシリーズ以外はノンシリーズ数本読んだだけですので何とか頑張って読み進めたいと思っています。
こちらこそよろしくお願いします。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする