タイトルのままの本。20人以上の論客による、秋葉原事件発の「問いかけ」。
皆4Pくらいに論がおさまっているので、主張や考察というより「問題提起」でとどまっているのが多い印象です。
でも私にとってはそこが良かった。あの事件についての考察を帰結させるというよりも、脳みその視点をカチャカチャ切り替える、頭のトレーニングをした気分でした。大澤氏の論は相変わらずわかりやすいのですが、しかしエロゲーのシナリオと関連付けるのはちょっと苦しい印象でした。最近の流行としてそういうテイストがウケてるってのはあるんだろうけど。(苦しかったけど、でもゲームはちょっとやってみたいと思ってしまった。^^;)
20以上の切り口のなかで一番納得したのは、「なぜ犯人は、2ちゃんねるではなく、メガビューに書き込みをしたのか」の話。私も当時不思議に思いましたが、筆者の指摘に納得しました。でも、納得しながらふと思ったのは…。
突き詰めて考えていくと、自虐ネタごっこを楽しんでいる場合ではなく寧ろそれを怨嗟するほどに追い詰められている人間と、自分の不遇をギャクにして不特定多数に埋没して楽しくやりすごしていく人間と、どっちが「やばい」んだろう?
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
哲学とか思想とか
- 感想投稿日 : 2009年6月5日
- 読了日 : 2009年6月5日
- 本棚登録日 : 2009年6月5日
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