外から守られて欲しいものもちゃんとある、安心で奇妙な森の中に閉じ込められ、自分たちがどこからやってきたのかも疑問を持つことのない少女たちの寄宿学校での生活。
「エコール」よりは少し成長した少女たちの物語で、「ピクニックアットハンギングロック」の世界観と、「私を離さないで」に更に毒を刺したようなイメージでした。
バレエを踊り、水辺で遊ぶ少女たちの姿、そしてちょっとガールズラブ風なシーンなど、どこを切り取っても美しく、観賞用としてもうっとり観ていたくなる前半とは打って変わり、謎に包まれた、寄宿学校の秘密を知った時から物語の雰囲気は一気にホラー調に変わる。
比喩的表現のまま、なんとなくオブラートに包み、バレエを冒涜してないエコールのほうが私個人には好きだけど、寄宿学校の怪しさに首を突っ込もうとする熱血警察も出てきたり、先生の苦悩まで描かれてたりして、こちらの作品の方がしっかりとストーリーとして構成されているので、エコールが曖昧すぎてお口に合わない人には見応えはあると思います。
冒頭のトウシューズがだんだん血に滲む様子が印象的で、何も疑問を持つことなかった幸せな時代からが次第に破壊されていく少女たちの末路を物語っている。
因みにプリマのヒダラよりも、美しくないとされたイレーネのほうがかわいいと思ったのは私だけ?
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年8月31日
- 読了日 : 2017年8月31日
- 本棚登録日 : 2017年8月31日
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