國村隼さんが出演という以外、全くの前情報なしで新感染を観た勢いで韓国映画のこちらを鑑賞してみましたので、こんなにオカルト感と宗教と呪術とか民族感とかが混沌と入り混じりここまでエクソシスト色強いとは、、、。
私、ちょうど昨晩からたまたま首に汗疹みたいなのが出てて、この作品の被害者たちの湿疹シーンとか鑑賞中はかなり痒くなり、私もなんかやばいのに感染したのか??とかあらぬ疑念までとりつかれながら私も主人公の警察官のおっさんと共にこの小さな村で出来た迷宮に迷い込んでいました。
この映画、始終画面全体が鬱蒼としてなんだかずっと湿ってる。
いい意味でとてもリアルなオカルト感、映像のエグさが目白押しで、邦画で言うと「悪人」とか「怒り」と同じ色合いだなーとふと感じてたけど、そういえばあの2つもやはり韓国人の李相日監督の作品だから同じ世界観なのかも、と勝手に考えてしまいました。
はっきりとした答えはないからモヤモヤは残るので、その表現方法は「沈黙」「怒り」そして上映中の「三度目の殺人」のにも通じるものがあり、最後まで鑑賞者をうねりの中に巻き込む感じはかなりドSです。
やはり、人間は信じたいものを信じたように見るし、思い込むとそうでしか思えない厄介な生き物で、疑念を持つことでなにもかも歯車が狂ってしまう。
舞台はすごく小さな集落の村という枠で描かれているけれど、繊維に少しずつ水が沁みたるように村人達がだんだんと「何か」に侵されてく様はまるで地球上の人間たち全て姿を物語っているように描かれているので人ごとではない気もしてくる。
山の上に居る謎の日本人は一体何しにこの地に訪れたのか?
彼は悪魔なのか?それとも救世主なのか?
思い込みという自分の中に生まれる悪霊は一人歩きして、個々の人間の精神世界の中で独自のストーリーが展開していく。
私たちが映像で見せられたものは彼らのフィルターを通した世界であり真実なのかもわからない。
そこら中に散らばったかけらを簡単に繋げて真実を導き出すことができない、複雑な映像展開が逆に観終わった後も、いく通りもの結論を考えさせてくれる。
昔、日曜日学校で読んでいた新約聖書も忘れてたのにまさかこの作品の中で頭に蘇ってくるとは思わなかった。
終わった瞬間は何々???パニックに陥ったけど改めてじわじわと凄みを感じる作品でした。
関係ないけど、見事にイケメンや美女をほとんど使わないで勝負するなんて、やるなーと感心。
かなり山奥の集落ということで、主人公の警察官のおっさん達のビジュアルも家族の感じも地味で、かなりリアリティを感じました。
本当にストーリーと映像、エネルギーで勝負したんだろうなと思うと感服します。
- 感想投稿日 : 2017年10月8日
- 読了日 : 2017年10月8日
- 本棚登録日 : 2017年10月8日
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