無限がいっぱい (異色作家短篇集 9)

  • 早川書房 (2006年5月17日発売)
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感想 : 22
4

ブラック度がやや高いシェクリイの短編集かな。

シェクリイの短編としては、『人間の手がまだ触れない』、『宇宙市民』を先に読みました。
『人間の手がまだ触れない』、『宇宙市民』ではどの短編も面白く兎に角笑えましたが、この本の短編は全体的にブラック度が高く笑えないものも多く系統が少し違う感じがしました。
シェクリイの短編をまだ読んだことが無い人は、まずは入手しやすい「人間の手がまだ触れない」でシェクリイ独特のユニークさや滑稽さを体験し、シェクリイの面白さを実感した上で、この本を手に取った方がよりこの本も楽しめるのではないかと個人的には思います。

面白かった作品は、「ひる」、「風起こる」、「先住民問題」、「パラダイス第2」、「乗船拒否」、「暁の侵略者」、「愛の語学」です。
特に、「風起こる」は、風速が時速70マイルを下ることが無い極限の惑星を舞台に、現地に派遣されている観測員に次々と降りかかる災難によるドタバタや惑星の奇妙な原住民とのやりとりの滑稽さはやはりシェクリイらしくて、とても面白い。オチも良い。
また、「愛の語学」は、愛の言葉を修得するために大真面目に取り組む主人公が滑稽で面白い。オチも洒落ている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ロバート シェクリイ
感想投稿日 : 2012年3月4日
読了日 : 2012年2月25日
本棚登録日 : 2012年2月9日

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