ウィトゲンシュタインの講義 数学の基礎篇 ケンブリッジ 1939年 (講談社学術文庫)

制作 : コーラ・ダイアモンド 
  • 講談社 (2015年1月10日発売)
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『ウィトゲンシュタインの講義 数学の基礎篇 ケンブリッジ 1939年』
原題:WITTGENSTEIN'S LECTURES ON THE FOUNDATIONS OF MATHEMATICS
著者:Ludwig Wittgenstein (1889-1951)
編者:Cora Diamond (1937-)
訳者:大谷弘、古田徹也

【版元】
発売日 2015年01月10日
価格 本体1,730円(税別)
ISBN 978-4-06-292276-0
通巻番号 2276
判型 A6
ページ数 624ページ
シリーズ 講談社学術文庫

ウィトゲンシュタインの講義は、臨場感あふれ、また、哲学の思考の現場を味わえる貴重な記録として有名です。学術文庫では、先に『ウィトゲンシュタインの講義 ケンブリッジ1932-1935』を刊行しました。これは、中期から後期に向かう時期の、いわゆる「言語ゲーム論」が、彼の中で熟していく過程を体感することができる講義でした。
本書『ウィトゲンシュタインの講義 数学の基礎篇』は、明確に後期に属します。後期の『哲学探究』の思考が、濃密に出てくる講義になっています。もちろん、死後、『数学の基礎』としてまとめられる数学論の構想の土台となった思考でもあります。数学基礎論は、ウィトゲンシュタインの主要な関心のひとつでしたが、本講義の魅力は、その内容が、数学の基礎論にとどまらないところにあります。
言語論、規則論といった、まさにウィトゲンシュタイン哲学の根幹にあたるところを、じっさい、どのように思考をめぐらせて熟成させていったのか、その哲学の現場が、まさに実況中継としてみえてくるのが、本講義の魅力です。
もうひとつは、他の講義とちがって、出席している著名な学生たちが、活発に発言し、ウィトゲンシュタインがそれに真っ向から応じているのです。その中心となっているのは、アラン・チューリングです。チューリングとウィトゲンシュタインの丁々発止を聞いているだけで、哲学の現場を体験できます。
数学の構造と、言葉の使用と、規則の成り立ち、これこそが、いまだに世界中の哲学読者を魅了してやまないウィトゲンシュタイン哲学のエッセンスでした。講義という現場で、ぜひ、そのスリリングな面白さを味わってください。
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000211756


【目次】

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 130.西洋哲学
感想投稿日 : 2014年12月30日
本棚登録日 : 2014年12月30日

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