話し言葉の日本語 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2013年12月25日発売)
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著者:井上 ひさし[いのうえ・ひさし] (1934-2010)
著者:平田 オリザ[ひらた・おりざ] (1962-)
構成:小田豊二
カバー装画:矢吹申彦
シリーズ:新潮文庫 い-14-33

【メモ】
・151頁7行目。対談の行われた時期がわかる。
“……これはいま(一九九八年)から……”


【目次】
目次 [003-007]


1 話し言葉の時代を走る乗り物としての「せりふ」 011
  日本人はおしゃべりか、それとも無口か
  日本の「話し言葉」はなぜあいまいなのか
  戯曲は文学か、時代の主義主張か
  「小説」がもっとも苦手なところを得意とするのが「演劇」
  日本語をいかに強くするか、美しくするか
  何を基準に正しい日本語というのか
  戯曲を上手に書くには大恋愛をするのがいちばん!


2 主語・述語の演劇と助詞・助動詞の演劇 047
  会話の日本語はなぜ主語がなくても通じるのか
  話し手の立場を表現する「助詞」
  「ねさよ廃止運動」と「ねはい運動」
  すぐれた戯曲の要件とは


3 「敬語」の使い方・使われ方 069
  日本語だけではない敬語表現
  歴史のなかで「敬語」はどう変わっていったか
  「はい、喜んで」という敬語表現
  言葉におけるサービス
  「お疲れさま」と「ご苦労さま」の混同


4 「方言」を生かす演劇 095
  方言と標準語の二重言語生活
  NHK「青年の主張」のおかしさ
  「標準語」化への三つの方法
  まだ未完成の日本語
  「方言」というよりも日常の話し言葉


5 対話 123
  芝居のせりふと日常会話の違い
  戯曲のなかのいい対話の条件
  戯曲の対話と小説の会話
  対話は米を揺するごとく
  新劇は対話から始まり、対話で終わる


6 戯曲のなかの流行語 147
  一生に使う語彙は三、四万語
  戯曲の軸を近未来におくか、過去におくか
  年月に耐えうるせりふを書きたい
  「出前とる? オア、食いに行く?」


7 戯曲の構造と言葉 171
  「忠臣蔵」に劇の構造を見る
  演劇でいちばん大事なのは「観客がいる」こと
  「人生に暗転はないんだよ」
  ドラマドクターという存在


8 戯曲の組み立て方 195
  戯曲はだれでも書けるのか
  登場人物の設定と種類
  演劇のルールの言語化
  芝居は作家のものか、演出家のものか


9 こうして最初の「せりふ」が生まれる 223
  戯曲を書くための「資料」集め
  ノートとパソコン
  「新約演劇」と「強約演劇」
  演劇界の新しい構造


10 翻訳劇から日本の演劇を見詰める 247
  戯曲のなかの「語順」
  浪漫主義と構造主義
  ヨーロッパで平田芝居が受ける理由
  これから重要になる「観客論」


11 「いかに書くか」から「何を書くか」へ 275
  戯曲の「言葉」は文化の点検
  「日本語の歴史」を知ることが必要
  日本語は「文化」か、「実用」か?
  戦争による言葉の喪失
  日本人の「自立」と日本語
  観客の意識を変える「言葉」


12 生きる希望が「何を書くか」の原点 301
  「テーマ」より「演劇的構造」をまず考える
  書いているうちに、テーマが出てくる
  若者を疎外する日本の劇的文化事情
  劇作は「希望をつくる」仕事


13 世界のなかの「日本の演劇」 327
  日本の演劇は、いま最悪か
  世界でも珍しい日本の「戦曲雑誌」
  手本は外国ではなく、日本にあり
  名ぜりふのつくり方
  昔からある言葉、いま使われ出した言葉


井上さんの思い出 平田オリザ(二〇一三年十一月、劇作家) [354-357]

読書状況:積読 公開設定:公開
カテゴリ: 810.日本語
感想投稿日 : 2020年4月4日
本棚登録日 : 2014年12月29日

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